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増分バックアップと差分バックアップの違いとは?メリット・デメリットを徹底解説!

Thu Nov 07 2024By Mayuko Yoshitome

顧客データや売上情報など、重要なデータの損失は企業の事業活動に大きな支障をきたす可能性があります。このためすべての企業にとって、万が一の事態に備えて、日頃から適切なバックアップ対策を講じておくことが重要です。

バックアップ方法には、フルバックアップ、差分バックアップ、増分バックアップなど、さまざまな種類があります。中でも、効率的にデータを保護する方法として、多くの企業で採用されているのが差分バックアップと増分バックアップです。

本記事では、それぞれのバックアップ方法の詳細とメリット・デメリットを分かりやすく解説し、状況に合わせた最適なバックアップ方法の選択について解説していきます。


データ損失のリスクに備える!バックアップの重要性

デジタル化が加速する現代社会において、データは企業にとって重要な資産と言えるでしょう。顧客情報や売上情報、設計図面などのデータ損失は、事業活動に大きな支障をきたすリスクがあります。

企業活動におけるデータの重要性

現代社会では、企業活動のあらゆる場面でデータが活用されています。顧客管理、商品開発、販売戦略、マーケティングなど、データに基づいた意思決定は企業の競争力を左右する重要な要素です。そのためデータの重要性はますます高まっており、適切な管理と保護が求められています。

データ損失によるリスクとは?

データ損失は企業の経済的損失だけでなく、社会的信用を失墜させるなど、さまざまなリスクをもたらします。

例えば顧客情報が流出すれば、個人情報保護法違反に基づくペナルティを受けたり、顧客からの信頼を失う可能性があります。また設計図やソースコードなどの重要な情報資産が失われた場合、事業の継続が困難になるだけでなく、競争優位性を失う可能性も考えられるでしょう。

さらに近年では、ランサムウェアによる攻撃も増加傾向です。ランサムウェアの被害を受けた企業は、業務が停止に追い込まれたり、多大な経済損失を被ることも少なくありません。

さまざまなバックアップ方法

データ損失のリスクに備えるためには、定期的にデータをバックアップすることが重要です。バックアップとは、重要なデータを別の場所に複製しておくことで、万が一データが消失した場合でも複製データから復旧できるようにする対策です。

代表的なバックアップ方法としては、以下の3つが挙げられます。

  • フルバックアップ:バックアップ対象のデータを丸ごとコピーする方法です。最も確実な方法ですが、データ量が多い場合は、バックアップに時間がかかり、ストレージ容量も多く消費します。

  • 差分バックアップ:フルバックアップ以降に変更があったデータのみをバックアップする方法です。フルバックアップに比べて、バックアップ時間とストレージ容量を削減できます。

  • 増分バックアップ:前回のバックアップ(フルバックアップまたは増分バックアップ)以降に変更があったデータのみをバックアップする方法です。差分バックアップよりもさらに効率的にバックアップを取ることができます。

それぞれのバックアップ方法にはメリット・デメリットがあるため、自社のシステム環境やデータの重要度などを考慮して最適な方法を選択する必要があります。

増分バックアップと差分バックアップを比較する

差分バックアップと増分バックアップは、バックアップ作業を効率化する重要な手法です。ここでは両者の違いとメリット・デメリットについて見ていきましょう。

増分バックアップとは?

増分バックアップは、前回のバックアップ(フルバックアップまたは増分バックアップ)からの変更点のみをバックアップする方法です。つまりバックアップを取るたびに、前回のバックアップ時点から変更があったデータのみを記録します。

  1. 日曜日:データ全体をバックアップ(フルバックアップ)する

  2. 月曜日:日曜日のフルバックアップ以降に変更があったデータのみをバックアップする

  3. 火曜日:月曜日の増分バックアップ以降に変更があったデータのみをバックアップする

  4. 水曜日:火曜日の増分バックアップ以降に変更があったデータのみをバックアップする

このように、増分バックアップでは常に直前のバックアップとの差分のみを記録していくため、バックアップデータのサイズが小さく、バックアップ時間も短縮できます。

メリット

  • バックアップに必要なストレージ容量が少なく済む

  • バックアップ時間が短縮できるため、業務への影響が少ない

デメリット

  • データ復旧時に、フルバックアップとすべての増分バックアップが必要になるため、復旧に時間がかかる場合がある

  • バックアップデータが増えるほど、管理が煩雑になる可能性がある

差分バックアップとは?

差分バックアップは、常に最後のフルバックアップとの差分のみをバックアップする方法です。毎日バックアップを取得する場合でも、比較対象は常に最後のフルバックアップとなります。

  1. 日曜日:データ全体をバックアップ(フルバックアップ)する

  2. 月曜日:日曜日のフルバックアップ以降に変更があったデータのみをバックアップする

  3. 火曜日:日曜日のフルバックアップ以降に変更があったデータのみをバックアップする

  4. 水曜日:日曜日のフルバックアップ以降に変更があったデータのみをバックアップする

このように、差分バックアップは、最後のフルバックアップを基準とするため、増分バックアップに比べて復旧が容易です。

メリット

  • データ復旧時に、フルバックアップと最後の差分バックアップのみで復旧できるため、復旧時間が短い

  • 増分バックアップに比べて、データ管理が容易

デメリット

  • 増分バックアップに比べて、バックアップデータのサイズが大きくなる

  • バックアップ時間が増分バックアップに比べて長くなる

増分・差分バックアップを使いこなすには

企業がバックアップを効率的に行うには、状況に応じて差分バックアップと増分バックアップを使い分けることが重要です。ここではそのヒントを紹介します。

状況に合わせたバックアップ方法の選択

データの更新頻度が高い場合は、バックアップデータのサイズが小さく、バックアップ時間も短い増分バックアップが適しています。一方、データの重要性が高く迅速な復旧が必要な場合は、復旧時間の短い差分バックアップが最適です。

例えば、毎日更新される顧客データベースはデータの更新頻度が高いため、増分バックアップが適しています。一方、システム障害時に備えた重要なシステムファイルには迅速な復旧が求められるため、差分バックアップが適しているといった具合です。

バックアップ運用を効率化するポイント

バックアップ運用を効率化するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

  • スケジュール設定:定期的に自動でバックアップを実行するように設定する

  • 自動化:バックアップや復旧作業を自動化するツールを導入する

  • 圧縮:バックアップデータを圧縮して、ストレージ容量を節約する

これらのポイントを踏まえて、自社にとって最適なバックアップ体制を構築しましょう。


最適なバックアップ方法で重要なデータを守ろう!

今回は、増分バックアップと差分バックアップの違いを中心に、バックアップの重要性について解説しました。

データ損失は企業にとって大きなリスクとなり、その被害は計り知れません。適切なバックアップ体制を構築しておくことで、万が一の事態にも迅速に復旧し、事業への影響を最小限に抑えることができるでしょう。

ただし、増分バックアップと差分バックアップのどちらが最適かは、データの更新頻度や重要度、システム環境などによって異なります。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、自社にとって最適なバックアップ方法を選択することが重要です。

この機会に、ぜひ自社のバックアップ体制を見直し、重要なデータを守るための対策を検討してみてはいかがでしょうか。

ジェネラルクラウド間データ移行

オンラインストレージとクラウドストレージの違いとは?ビジネスに最適な選択を解説

ビジネスにおいて「データ」は非常に重要です。そして、そのデータを安全かつ効率的に保管・管理するために欠かせないのがストレージサービスです。特にインターネット経由でアクセスできるオンラインストレージとクラウドストレージは、多くの企業にとって重要な選択肢となっています。しかし両者は似て非なるサービスであり、それぞれの特徴やメリット・デメリットを正しく理解することが欠かせません。この記事ではオンラインストレージとクラウドストレージの違いを分かりやすく解説し、ビジネスシーンにおける最適な選択をサポートします。オンラインストレージとクラウドストレージの基本的な違いオンラインストレージとクラウドストレージは、どちらもインターネットを介してデータの保存・管理を行うサービスですが、提供される機能や対象ユーザーが異なります。ビジネスでどちらのサービスを利用するかは、扱うデータの規模や種類、セキュリティ要件、そして予算などを考慮して慎重に判断する必要があるでしょう。オンラインストレージインターネット上のサーバーにデータを保存し、ウェブブラウザやアプリを通じてアクセスできるサービスです。主に個人ユーザーを対象としたサービスが多く、シンプルなファイルのアップロード・ダウンロード機能が中心になります。そのためオフライン時にはデータにアクセスできないことが一般的です。クラウドストレージオンラインストレージよりも高度な機能を備えたサービスであり、企業やビジネスユーザーをターゲットにしています。データは複数のデータセンターに分散して保存されることが多く、高い信頼性と可用性が強みです。また、自動バックアップ、データの冗長化、スケーラビリティ(必要に応じた容量の増減)など、企業ニーズに対応した機能が充実しています。さらに、複数ユーザーでの同時利用、データ同期、データ暗号化など、利便性やセキュリティ面も強化されています。オンラインストレージの特徴オンラインストレージは、インターネットに接続できる環境であれば、いつでもどこでもデータにアクセスできる手軽さが魅力です。個人利用からビジネスシーンまで、幅広く活用されています。代表的なサービス代表的なオンラインストレージサービスとしては、Google DriveやDropbox、OneDriveなどが挙げられます。いずれも、ファイルをアップロードして保存するだけでなく、フォルダの共有やファイルの同期、リアルタイムでの共同編集など、便利な機能を備えているのが特徴です。これらの機能を活用することで、チーム内での情報共有や共同作業がスムーズに行えます。オンラインストレージが適しているケースオンラインストレージは、比較的小規模なチームや個人での利用に適しています。導入コストが低い、あるいは無料で利用できるサービスも多い点が魅力です。また、直感的に操作できるシンプルなインターフェースも特徴で、専門知識がなくても容易に利用できます。そのため、ITリテラシーに関わらず、幅広いユーザーに受け入れられています。クラウドストレージの特徴クラウドストレージは、高い信頼性と堅牢なセキュリティを誇り、大容量データの保管や高度なデータ管理が必要となるビジネスシーンで力を発揮します。代表的なサービスWasabiは、低価格ながらも高い信頼性とパフォーマンスを提供するクラウドストレージサービスです。データは複数のデータセンターに冗長化して保存されるため、万が一の障害発生時にもデータの消失を防ぎます。また、必要な容量に合わせてストレージを柔軟に拡張できるスケーラビリティも大きな魅力です。すべてのデータは暗号化して保存され、アクセス制御や監査ログなど企業が必要とするセキュリティ機能も充実しています。クラウドストレージが適しているケースクラウドストレージは、特に大規模なデータを取り扱う企業や、高い可用性とセキュリティが求められるビジネスに適しています。たとえば、医療機関における電子カルテの保管、金融機関における顧客情報管理、ECサイトにおける商品画像の保存など、データの消失が許されないビジネスにおいて真価を発揮します。また従量課金制が一般的で、利用した分だけのコストで済む点も魅力です。必要に応じて柔軟に容量を増減できるため、コストパフォーマンスに優れています。ビジネスにおける選び方のポイントオンラインストレージとクラウドストレージ、どちらを選ぶべきかは、それぞれのビジネスニーズによって異なります。ここでは、サービス選定における重要なポイントを紹介します。使用するデータの規模と種類扱うデータの規模や種類によって、最適なサービスは異なります。たとえば、日常的にやり取りする資料や、容量が比較的小さいファイルであればオンラインストレージで十分に対応できるでしょう。 一方で、大容量の画像データや動画データを扱う場合、あるいはシステムバックアップなど膨大なデータの保管が必要な場合は、拡張性とコストパフォーマンスに優れたクラウドストレージが適しています。セキュリティとコンプライアンスの重要性企業にとって、顧客情報や機密情報など、取り扱うデータの保護は最重要課題です。特に近年はGDPRなどの個人情報保護法が強化されており、適切なセキュリティ対策を講じなければ企業の信頼を失墜させかねません。クラウドストレージは、データの暗号化、アクセス制御、多要素認証など、強固なセキュリティ機能を提供している点が大きな強みです。またサービスによっては、国際的なセキュリティ基準規格に準拠していることを証明する認証を取得している場合もあり、より安心して利用できます。まとめオンラインストレージとクラウドストレージは、それぞれ特徴や機能が異なるものの、どちらもビジネスにおいて重要な役割を担うデータ保管サービスです。オンラインストレージは、手軽に導入でき、小規模なチームや個人での利用に適しています。一方、クラウドストレージは、大容量データの保管や高度なセキュリティ対策が必要な場合に最適です。ビジネスの規模や扱うデータの種類、必要なセキュリティレベル、そして予算などを考慮し、自社のニーズに最適なサービスを選択してください。...

Wasabi AiR:メディアストレージに活かすAIのパワー

私たちは、スマートフォンでお気に入りのペットや家族の写真を簡単に見つけられるようになりました。しかし、このテクノロジーは高価で、メディアエンターテイメント業界(M&E)の大きな組織ですらなかなか利用できませんでした。ニュース速報に対応して、アーカイブから必要な映像をどれだけ早く見つけられるか?は長年の課題だったのです。そしてここ数年、M&E業界の一部では、人工知能(AI)と機械学習(ML)を活用してコンテンツを検索するようになってきました。M&E業界にとってのAIとMLのメリット エンターテイメントのチャネルが増え続ける中で、最新のコンテンツを利用してより良いストーリーをより早く伝えることができる。 4Kのデジタル映画制作では数ペタバイトのストレージ利用が一般的ですが、業界は8Kに向かっているため、1エクサバイト以上の容量が標準になる日も近いでしょう。このようにコンテンツの格納に必要なストレージ容量は増大していますが、AI/MLにより自動処理することで、ポストプロダクションのコストを削減できます。M&E業界では、メディアを分析するためにAIとMLを活用することを、一般にAI自動タグ付けまたはAIタグ付けと呼んでいます。何千時間ものビデオを分析して、人間よりもはるかに速く1つの重要なシーンを見つけるために使用します。AIタグ付けの出力は、別のデジタル資産作成の際の「重要な瞬間」を検索するために使うメタデータです。M&E業界にとってAIタグ付けの導入は必須とも思われますが、一方で導入をためらう以下の課題がありました。 セキュリティ問題:不正アクセスからコンテンツを保護する必要がある 不正確:AIが生成した結果の精度が低い 費用がかかりすぎる:実装と実行が複雑でコストがかかりすぎるため、ROIが低いこの課題をすべて解決したのが、AI自動タグ付け機能とクラウドストレージを組み合わせた初のインテリジェント メディア ストレージ、Wasabi AiRです。以下に特長をまとめます。セキュリティ:Wasabi AiRが生成したお客様のメタデータとカスタムトレーニングは、Wasabiではなくお客様が所有し管理します。...

Wasabi Hot Cloud Storage導入事例:医療法人 錦秀会様

パートナーのAIT様に大阪の医療法人錦秀会様の事例を作成いただきました。転載の許可をいただきましたのでこちらのブログでもご紹介させていただきます。概要錦秀会様は、錦秀会グループの中核として大阪市南部と堺市を中心に5 病院2 施設を運営する医療法人。同法人では、AITによる支援のもと、2023 年5 月に発布された厚生労働省のガイドライン「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第 6.0 版」への対応策としてホットクラウドストレージ「 Wasabi 」を導入。電子カルテシステムや医事システムのデータバックアップに有効活用している。 Wasabi導入前の課題遠隔地へのデータ保管に関する対策が不十分で、大規模災害により業務の継続に必要なデータがすべて失われるリスクがあった。Wasabi導入の経緯Wasabiの圧倒的なコストパフォーマンスを評価。Wasabi...