DATA MANAGEMENT
AIとアーカイブの双方に適したストレージ
AIについて確かに言えるのは、学習に大量のデータが必要だということです。大規模言語モデル(LLM)、画像生成、推奨アルゴリズムのために入力できるデータが多ければ多いほど、精度の高い結果につながります。しかし、AIは単にビッグデータを読み込めるだけでなく、私たちが所有する膨大な量のデータを理解するのにも役立ちます。
AIは、インデックス作成、カタログ化、画像認識を通じて強力な検索エンジンとなり、企業におけるデータの扱い方を再定義しました。つまり、AIエンジンを利用できるようになった途端に、ほぼすべての企業データが価値あるものとして見なされるようになったのです。長期アーカイブの「コールド」なデータでさえ、AIモデルを通せば貴重な洞察を得られる可能性があります。
アクティブアーカイブにおけるコールドデータの種類
もちろん、組織にはアーカイブ以外にもさまざまなデータがあります。特にメディアを多用する組織では、新しいデータや積極的に利用するデータが絶えず流れ込む状況に対処する必要があります。しかし、コールドデータ資産を徹底的に理解し、その戦略的価値を最大限に引き出すことも重要です。
Active Archive Allianceの年次レポートによると、コールドデータは主に以下の3つに分類されます。
履歴データ:過去のプロジェクトや分析のために収集されたが、現在は積極的に使用および学習されていないデータ。更新されたデータによって置き換えられた、旧バージョンのデータも含まれる。
長期コンプライアンスデータ:参照またはコンプライアンスの目的で保存されているが、進行中のAIタスクでは積極的にアクセスされないデータ。規制遵守や法的要件のほか、長期的な分析のために収集されたデータが含まれる。
実験データ:主要なワークフローの一部としてではなく、実験目的または予備調査に使用されるデータ。これらのデータセットは参照用として保管されるが、実験が終了すると定期的にアクセスされることはない。
AIに適したアーカイブ環境を作成するコツは、AIパイプラインの各段階に適切なストレージを選択することです。Wasabiでは、データの取り込みとアーカイブの段階に重点を置いています。ストレージに求められるのは、効率的に拡張して膨大なメディアアーカイブを収容できることです。また、人間とAIの両方にシームレスなオンデマンドアクセスを提供しながら、低コストで実用的に実装できることも重要です。Wasabiは、これらの要素をすべて兼ね備えたクラウドオブジェクトストレージを提供します。さらにWasabiはこの度、Active Archive Allianceに最新のクラウドオブジェクトストレージベンダーとして参加いたします。
コスト要因
アーカイブに携わる方であれば、「安価で大容量」という表現で販売されるアーカイブストレージを目にしたことがあるかもしれません。「安価で大容量」なクラウドストレージは、テラバイトあたりの初期コストが低いかもしれませんが、予期しない隠れたコストが発生し、全体の価格が急上昇することがよくあります。
クラウドオブジェクトストレージの領域では、ストレージに支払う料金をはるかに上回るデータアクセス料金や利用料金が発生する可能性があります。実際に、Wasabi 2025 Cloud Storage Index Reportによると、ストレージ料金の半分近くがストレージ以外の料金に充てられていたケースも確認されています。安価なコールドストレージ層では、データアクセスのインスタンスごとに料金が請求されます。そのため、1,000件あたりわずか1セントなど、少額の料金設定の場合でも、合計額がすぐに膨らんでしまいます。
こう言ったケースは、特にAIを扱う際に当てはまります。AIは、新しいモデルの学習や微調整の目的で、アーカイブデータへ定期的にアクセスします。AIを活用したアクティブアーカイブ戦略を検討している組織は、クラウドストレージを選択する際、お買い得に見える製品にも注意を払う必要があります。データへのアクセスやデータ移動に高額な料金を課して予算を圧迫することのないストレージプロバイダーを検討しましょう。
Wasabiを選ぶメリット
Wasabi Hot Cloud Storageは、高い可用性・コスト効率・安全性を備えたクラウドオブジェクトストレージです。私たちは、価格・パフォーマンス・サイバーレジリエンスを兼ね備えてアクティブアーカイブに最適なソリューションを提供します。
可用性:AIワークロードで即座にデータへアクセスし、使用できるストレージを提供。
料金:APIリクエスト料やデータの下り転送料が無料なうえ、TBあたりのストレージ料金を低く設定。これにより、お手頃かつ予測可能な月間ストレージ価格を実現。
サイバーレジリエンス:物理、データ、アカウントの各セキュリティレベルにおいて多層的なゼロトラスト方式を採用し、お客様のアーカイブを安全に保存。
Wasabiは、Active Archive Allianceの最新クラウドストレージプロバイダーとして、お手頃な価格で高いパフォーマンスを提供します。3月19日に開催されたAI Virtual Showcaseでは、AIとアクティブアーカイブの関係性について講演いたしますので、ぜひご来場ください。
新年が明けて1か月以上が経ちましたが、2025年の目標はまだ覚えていますか?その目標にはおそらく、販売ノルマの達成、顧客向けサービスのアップセル、クラウドストレージサービスに関する知識の向上などが含まれていることでしょう。Wasabiは、チャネル向けに設計されたクラウドストレージで効率を最大化し、利益率を拡大できる体制を提供します。また、Wasabiの多様なパートナー向けサービスを通して、お客様の目標を念頭に置いて設計された、独自の教育サービスをご利用いただけます。 最新トレーニングコースであるWasabi 技術認定は、チームで設定した目標の達成に向けたサポートを行います。このコースはシステムエンジニアやソリューションアーキテクトを対象としており、Wasabi Hot Cloud Storageの技術的な詳細や、お客様が最も求める機能について学ぶことができます。チームのメンバー全員がアクセスしやすく、使いやすい仕様になっています。トレーニングコースの内容トレーニングは、Wasabi Hot Cloud Storageの紹介と、Wasabi Account...
はじめに 2024年も、サイバー攻撃が多く発生した年となりました。特にランサムウェア攻撃は、驚くべき数で重要な機関に大混乱を引き起こし続けています。Sophosによるレポート「The State of Ransomware 2024」によると、2024年は59%の組織がランサムウェア攻撃の被害を受けました。標的となった企業の98%はデータを回復できたものの、大きな混乱と多額のコスト被害が発生しました。攻撃の際、要求される身代金の平均額は200万ドルでしたが、これに復旧費用が加わり、平均273万ドルのコスト負担が組織にかかる結果となりました。昨年、ハッカーは世界最大規模の組織や政府機関などに対して、業務の麻痺、データ損失、金銭的な損害を与えました。しかし、攻撃の多くは簡単な対策で軽減または完全に回避できた可能性があります。それでは、2024年に発生した破壊的なランサムウェア攻撃をいくつか見てみましょう。医療機関 2024年初頭、米国最大手の医療機関がランサムウェア攻撃を受けました。その結果、1億3100万人もの患者の記録が漏洩するデータ侵害が発生しました。流出した情報には、個人健康情報(PHI)、支払い記録、患者の社会保障番号、個人識別情報(PII)などが含まれていました。この医療機関は、情報が流出したことで数々の規制に基づく制裁を受けることになりました。さらに、処方箋を処理する目的などで提供していた医療ソフトウェアアプリの停止も余儀なくされました。また、決済サービスや歯科および医療記録アプリが停止したことで、医療に支障をきたし、患者の健康に影響を及ぼす可能性も示唆されました。課題 攻撃者は、盗んだ認証情報を使用して医療機関のネットワークとデータ資産にアクセスしました。実際、こういった攻撃は珍しくありません。Sophosのレポートによると、ランサムウェア攻撃の29%は認証情報の侵害をきっかけとしています。この医療機関では、多要素認証(MFA)が採用されていませんでした。そのため、攻撃者は盗んだ認証情報を悪用してネットワークへ侵入することができたのです。ユーザーとそのデバイスを認証する機能がなかったことで、正規のユーザーになりすました攻撃者を識別できず、侵入を防ぐことができませんでした。ソリューション MFAを採用していれば、攻撃の大部分を阻止できたはずです。MFAは、ネットワークアクセスを許可する前に、テキストメッセージや電子メールで固有コードを受信するようユーザーに要求します。これにより、盗まれた認証情報の使用をブロックすることができます。また、モバイルアプリを使用した新しいMFAモードでは、モバイルデバイスのなりすましによるSMSメッセージの傍受リスクを回避でき、より強力な保護が提供されます。さらに強力な認証対策になりうるのが、マルチユーザー認証(MUA)です。MUAでは、データの削除や暗号化、アカウントの変更や削除などを行う際、複数のユーザーが確認する必要があります。これにより、システムが侵害された場合でも、ランサムウェア攻撃による悪影響を軽減することが可能です。政府機関 ...
すべての組織には何らかの使命がありますが、次世代を見据えた教育、質の高い医療の提供、画期的なメディアの制作、重要な公的記録の保護など、その内容は多岐にわたります。そして、どの業界においても大きな課題となっているのが、増加し続けるデータを効率的に管理・保護することです。Wasabiは、シンプルでコスト効率の高いクラウドストレージソリューションによって複雑さや価格の高騰を回避し、あらゆる組織がデータを保存、アクセス、保護できるようにサポートします。最新のeBook「Success Stories: How Wasabi Lowers Data Storage Costs Across Industries(クラウドの成功事例:あらゆる業界でWasabiがストレージの総コストを削減)」では、お客様が実際にWasabi...