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クラウド保存の安全性を高めるには?今すぐ取り組むべき対策を解説

Fri Nov 21 2025By e2d26bb0-242e-4a7e-ad66-f01f3f3505c7

クラウド保存は利便性が高い一方で、依然としてセキュリティに不安を感じている人も少なくありません。本記事では、クラウド保存における安全性の基本から、暗号化、アクセス制御、バックアップ、災害対策といった最新の対策までを整理し、企業や個人がクラウドでデータを安全に管理するための具体的な方法を解説します。

クラウドは本当に安全?基本の仕組みと潜むリスク

一般的に、クラウドストレージは物理的なオンプレミス環境より安全性が高いとされています。その理由は、堅牢なデータセンター、データの冗長化構成、専門家による24時間365日の監視体制など、サービス提供者が高度なセキュリティ基盤を備えているためです。

しかし、クラウド特有のリスクも存在します。例えば、サイバー攻撃やユーザー側の設定ミス、そしてサービス提供者側のシステム障害などです。クラウドのメリットを最大限に活かすには、これらのリスクについて理解し、適切な対策を講じる必要があります。

クラウドの安全性を脅かす5つの脅威

クラウド上のデータは、さまざまな脅威にさらされています。ここでは、代表的な5つの脅威について解説します。

脅威1:外部からのサイバー攻撃

悪意のある第三者によるサイバー攻撃は、最も警戒すべき脅威の一つです。データを暗号化して身代金を要求するランサムウェア、システムに侵入して情報を盗むマルウェア、大量のデータを送りつけてサービスを停止させるDDoS攻撃、特定の企業を狙う標的型攻撃など、その手法は多様化・巧妙化しています。これらはいずれも、データの破壊や機密情報の流出などの深刻な被害につながる可能性があるため、攻撃を想定した事前の対策が必要です。

脅威2:ヒューマンエラーによる設定ミス

高度な技術的対策を講じていても、人為的なミスが原因で情報漏洩が発生するケースは少なくありません。例えば、アクセス権限の設定ミスによって、本来アクセスできないはずの従業員が機密データにアクセスしたり、公開範囲の設定を誤ってインターネット上の誰でもファイルを見られる状態にしてしまうなどのリスクが挙げられます。特にIT部門には、十分な注意が必要です。

脅威3:内部不正による情報漏洩

悪意を持った従業員や元従業員など、正規のアクセス権限を持つ人物による内部不正も深刻な脅威です。権限を悪用して顧客情報や技術情報などの重要なデータを不正に持ち出したり、システムからデータを削除・破壊したりする行為がこれに該当します。内部不正は外部攻撃に比べて検知が遅れやすく、重大な被害につながりやすいため、権限管理とログ監視が欠かせません。

脅威4:サービス提供者のシステム障害

クラウドサービス自体にシステム障害が発生するリスクも考慮しなければなりません。例えば、ハードウェアの故障やソフトウェアのバグにより、一時的にデータへアクセスできなくなるケースです。障害の復旧には時間がかかる場合もあり、業務に支障をきたす恐れがあります。事業者の障害対応力やSLA(サービス品質保証)の内容を把握しておくことが大切です。

脅威5:大規模な自然災害

データセンターが所在する地域で、地震や水害、火災などの大規模な自然災害が発生した場合、データが物理的に消失するリスクがあります。多くのクラウドサービス事業者は複数の地域にデータセンターを分散させるなどの対策を講じていますが、自社のデータがどの地域に保管されているかを把握し、万一の事態に備えておくことが重要です。

クラウド保存の安全性を高める基本対策

クラウドを安全に利用するためには、ユーザー自身が基本的なセキュリティ対策を実践することが不可欠です。

強力なパスワードと多要素認証(MFA)の設定

セキュリティの第一歩は、アカウントの保護です。推測されにくい複雑なパスワードを設定するのはもちろんのこと、IDとパスワードに加えて、SMS認証コードや認証アプリなど、複数の要素を組み合わせて本人確認を行う「多要素認証(MFA)」を設定することが極めて重要です。これにより、万が一パスワードが漏洩しても、不正アクセスを大幅に防ぐことができます。

アクセス権限の最小化

従業員やシステムアカウントには、業務上必要な最小限の権限のみを付与する「最小権限の原則」を徹底しましょう。全員に管理者権限を与えるような運用は、内部不正やアカウント乗っ取り時の被害拡大につながります。部署や役職ごとにアクセスできるデータの範囲をきめ細かく設定し、不要な権限は速やかに削除する運用ルールを明確にすることが重要です。

アクセスログの定期的な監視

誰が、いつ、どのデータにアクセスしたかを記録する「アクセスログ」を定期的に監視することで、セキュリティインシデントの兆候を早期に発見できます。例えば、深夜や休日の不審なアクセス、特定のユーザーによる大量のデータダウンロードなどを検知することが可能です。ログを監視・分析する仕組みを導入し、異常が発生した際に即座に対応できる体制を整えましょう。

Futuristic server room with glowing servers, digital lock hologram, and green laser beams, symbolizing cybersecurity and data protection.

企業のデータを守るための高度なセキュリティ技術

基本的な対策に加え、より高度な技術を導入することで、データ保護のレベルを飛躍的に高めることができます。

データの暗号化

暗号化は、データを第三者に読み取られないように保護する基本的な技術です。データがインターネットなどのネットワークを通過する際の「転送中の暗号化(SSL/TLS)」と、ストレージに保存されている状態での「保管中の暗号化(at-rest encryption)」の両方を実施することが不可欠です。これにより、通信の盗聴やストレージメディアの盗難といったリスクからデータを保護できます。

バックアップとバージョニング

ランサムウェア攻撃によるデータ暗号化や、従業員による誤削除といった事態に備え、データのバックアップは必須です。さらに、ファイルの変更履歴を複数世代にわたって保存する「バージョニング機能」を活用することで、問題が発生する前の特定の時点の状態にデータを復元できます。これにより、迅速な事業復旧が可能になります。

オブジェクトロック

「オブジェクトロック」は、一度書き込まれたデータを、設定した期間中は変更・削除できないようにする機能です。これを利用することで、ランサムウェアによるデータの暗号化(上書き)や、悪意ある第三者によるデータ削除を完全に防ぐことができます。Wasabiの強みでもあるこの機能は、ランサムウェア対策や、法的・規制上の要件(コンプライアンス)を遵守するために極めて有効です。

DR(災害復旧)対策

DRは、メインのデータセンターが大規模災害などで被災した場合に備えるための対策です。主要拠点とは地理的に離れた別の拠点にデータをリアルタイムで複製しておくことで、メインシステムがダウンしても、速やかに予備システムに切り替えて事業を継続することが可能になります。BCP(事業継続計画)の観点からも非常に重要です。

安全性でクラウドサービスを選ぶポイント

自社に最適なクラウドサービスを選ぶためには、セキュリティに関する以下のポイントをチェックすることが重要です。

  • 第三者認証の取得状況:情報セキュリティに関する国際規格「ISO/IEC 27001」や、米国公認会計士協会(AICPA)が定める「SOC 2」など、客観的な第三者認証を取得しているかを確認します。

  • 業界特有のコンプライアンスへの対応:医療分野の「HIPAA」や金融業界の「FINRA」など、自社の業界で求められる規制やコンプライアンス要件に対応しているかを確認します。

  • データセンターの物理的セキュリティと所在地:データセンターの入退室管理や監視体制といった物理的なセキュリティ対策が厳重であるか、またデータの保管場所が自社のポリシーに適合するかを確認します。

  • 障害発生時のサポート体制とSLA:障害発生時に迅速なサポートを受けられるか、またサービスの稼働率を保証するSLA(サービス品質保証)が明確に定められているかを確認します。

  • セキュリティ機能の透明性と料金体系:提供されるセキュリティ機能の詳細や、それらが標準機能かオプション料金かなど、料金体系が明確で透明性が高いかを確認します。

まとめ

クラウド保存を安全に行うには、利便性と安全性の両立が不可欠です。MFAの設定やアクセス権限の管理といった基本的な対策はもちろん、暗号化やオブジェクトロックといった最新の技術動向を理解し、自社に取り入れることが安心につながります。そして最も確実な手段は、セキュリティを重視して設計された信頼性の高いクラウドサービスを選択することです。

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クラウドオブジェクトストレージがAIチームの注目を集める5つの理由

昨今のAIチームは、クラウドオブジェクトストレージで増え続けるデータを保存および管理し、AIモデルのトレーニング、微調整、運用に役立てています。この理由は非常に明快で、機械学習パイプライン、検索拡張生成(RAG)、推論を含むAIワークロードの多くが非構造化データを好み、オブジェクトストレージはこういった煩雑な情報やメタデータの保存に最適であるためです。現在、画像・動画・メール・文書・センサーログなどの非構造化データが、企業データの80%以上を占めています。しかし残念ながら、こうしたデータの多くはサイロ化しているか、AI向けではないシステムに保存されている場合がほとんどです。そのため、貴重なデータを一元管理することができるクラウドオブジェクトストレージがAIチームの関心を集めています。クラウドオブジェクトストレージは高い拡張性とコスト効率を備え、非構造化データを簡単にAIへ適応させることができます。本ブログでは、クラウドオブジェクトストレージがAIワークロードに適している理由についてご説明します。1. AI導入のコストとリスクを削減AIイニシアチブの立ち上げには、コンピューティング、ストレージ、人材への多大な投資が必要です。従来のオンプレミスインフラでは、特にストレージに関して初期段階で多額の設備投資が求められる傾向があります。これは、初めてAIを導入するチームにとって現実的とは言えません。一方、クラウドオブジェクトストレージの場合は設備投資(CapEx)の代わりに従量課金制を採用しており、ニーズに応じてストレージコストを調整できます。これにより、新しい高価なインフラに全財産を投じずとも、パイロット運用、新しいモデルのテスト、戦略の調整が容易に行えます。AIの実験段階でクラウドオブジェクトストレージを使用することで、ハードウェア構築のコスト負担がない状態で迅速に作業を開始できます。2. 予算内での拡張を実現AIワークロードは大量のデータを消費し、非常に動的になる傾向があります。そのため、プロジェクトが進化し、新たな変数が導入されるにつれて、ビジョンモデル、大規模言語モデル(LLM)、微調整のサイズが肥大化することがよくあります。これによって、データ量だけでなく求められる容量も予測できないほど急増する可能性があります。クラウドはこのような成長にも対応し、柔軟に拡張します。例えば、来週に容量を2倍にする必要がある場合でも、クラウドオブジェクトストレージを使えば業務を中断せずに対応することが可能です(オブジェクトストレージを使用してデータの急増を管理する方法はこちら)。ただし、AIワークロードはAPIを集中的に消費する可能性があるため、クラウドオブジェクトストレージプロバイダーを選択する際には注意が必要です。再トレーニング、推論、パイプライン自動化が同じデータセットから繰り返し行われると、APIリクエストなどの手数料が急速に増加する恐れがあります。お手頃かつ予測可能なコストで大規模なAIデータを保管するには、使用量に基づいたシンプルな価格設定のプロバイダーを探す必要があります。3. いかなる場所でも最高のコンピューティングリソースを活用最新のAIワークロードはモジュール化されています。多くの場合、チームはクラウドでコンピューティングを実行したのち、別のクラウドでオーケストレーション処理を行い、内部および外部ソースからデータを取得します。そのため、コンピューティングとストレージを単一の環境に閉じ込める手法はもはや現実的ではありません。そこで、ストレージをコンピューティングから分離すれば、各ワークロードに最適なツールとクラウドを柔軟に使用できるようになります。S3互換のオブジェクトストレージは、パブリッククラウド、ハイブリッド展開、特殊なGPU環境ともスムーズに連携します。これにより、制限のない状態で、特定のニーズや市場に応じてコンピューティング環境とストレージ環境を組み合わせることが可能になります。クラウドオブジェクトストレージは、AIアーキテクチャに含まれるGPUファーストのクラウド、オンプレミスのデータセンター、コンテナ化されたアプリ、連携済みのデータパイプラインを柔軟に結び付けます。4. データサイロを解消し、AIパイプラインにデータを供給AIモデルには、単なるデータだけでなく、コンテキストが豊富な大量の非構造化データも必要です。しかし多くの組織では、こういったデータはAIワークフローに接続されていないレガシーシステム、部門サーバー、コールドアーカイブなどに閉じ込められています。オブジェクトストレージは、こうしたサイロを解消するのに役立ちます。オブジェクトストレージで大規模な非構造化データの取り込みを行うことで、AIパイプラインの各フェーズ(トレーニング、微調整、推論など)にわたって画像、動画、ログ、ドキュメントなどの資産にアクセスできるようになります。また、フラットなメタデータ主導アーキテクチャにより、特定のデータサブセットを迅速かつ効率的にタグ付け、クエリ、取得できるため、場所やタイミングを問わずAIモデルに必要な情報を容易かつ正確に提供することが可能です。AI向けに企業データを統合する際は、クラウドオブジェクトストレージを利用することでデータを使いやすくアクセスしやすい環境が実現します。5. AI資産を保護し、レジリエンスを確保独自のモデルを構築する場合でも、機密性の高い顧客データを使用して微調整する場合でも、コンプライアンスや将来の再トレーニングのために出力をアーカイブする場合でも、取り扱うコンテンツの保護は必須です。クラウドオブジェクトストレージは、データの耐久性、不変性、地理的な冗長性を強力にサポートします。また、オブジェクトロック、バージョン管理、ネイティブ暗号化(保存時および転送中)などの機能によって、データの改ざんや不正アクセスを防ぎます。さらに、GDPR、HIPAA、FERPAなどの業界標準および規制へも準拠します。こういった状態を保つことは、AIチームにとって単なるセキュリティ以上のものを意味します。AIモデルを再構築、再トレーニング、または再検証する必要がある場合、クラウド内に信頼性が高くイミュータブルなデータソースがあるかどうかは非常に重要です。スケーラブルで持続可能なAIの基盤ストレージ戦略は、AIイニシアチブの速度、コスト、成功に大きな影響を与えます。大規模言語モデル(LLM)の試験運用や、企業全体における検索拡張生成(RAG)ベースのアプリケーション拡張などを行う際は、それに対応しうるインフラが必要です。クラウドオブジェクトストレージは、昨今のAIに合わせて構築されています。また、大規模な非構造化データを処理し、あらゆるコンピューティング環境と簡単に統合でき、多額の先行投資も必要ありません。さらに、取り込みから推論、アーカイブに至るまで、データパイプラインの進化に合わせて適応できる柔軟性も備わっています。多くのプラットフォームがオブジェクトストレージを提供していますが、すべてがAI向けに最適化されているわけではありません。ハイパースケーラーを利用した場合、複雑な価格設定で下り転送料やAPIリクエスト料金がかかり、コストが予測不可能になる傾向があります。これにより、実験が停滞し、総所有コストが押し上がる可能性があります。一方、Wasabiは高性能かつS3互換のクラウドオブジェクトストレージによってこれらの障壁を排除します。また、Wasabiでは従量課金制を採用しており、容量に対して定額料金が設定されているため、下り転送料やAPIリクエスト料などの手数料は一切かかりません。Wasabiのセキュリティに対する多層防御アプローチでは、不変性と、業界初の機能であるマルチユーザー認証が手数料なしでご利用いただけます。これにより、たとえ管理者であっても、複数の承認なしにストレージバケットやアカウント全体を削除することができなくなり、重要なAIデータの保護がさらに強化されます。こういった条件を加味して、より多くのチームがデータ集約型のAIイニシアチブをサポートする際にWasabiを選択しています。...

ランサムウェアの究極の防衛線、「Covert Copy」の登場

データは今やビジネスにおける主要な通貨となっており、それゆえに攻撃者の主要な標的となっています。ランサムウェアの増加、内部脅威の深刻化、そしてコンプライアンス要件の厳格化に伴い、企業は攻撃者に決して侵害されることのない安全策を必要としています。12月2日(火)、Wasabiは「Covert Copy(コバート コピー)」を発表しました。これはWasabi Hot Cloud Storageの特許出願中の新機能であり、ユーザーが選択したストレージバケットに対して、ロックされた不可視(隠し)コピーを作成できるようにするものです。この保護されたコピーにより、万が一ランサムウェア攻撃を受けたとしても、重要なデータは手つかずのまま確実に守られます。エンタープライズクラスの保護を、シンプルかつ手頃な価格でランサムウェア攻撃の主な手口は、ビジネスに不可欠な機密データの持ち出しと、それに続くデータの暗号化や破壊です。被害を最大化し、可能な限り高額な身代金を搾取するために、バックアップデータまでもが攻撃対象となっています。これまで、他のクラウドプロバイダーで「仮想エアギャップ」を実装するには、高度なセキュリティ知識やシステム知識に加え、複雑なツール、ポリシー、ルールの管理が必要でした。その結果、多くの顧客はリソースや時間を費やすよりも、リスクを受け入れることを選んでしまっていました。Covert Copyは、導入の合理化、つまりシンプルにすることでその複雑さを無くします。これはWasabi Hot Cloud Storageに含まれる機能であるため、ユーザーは保護したいデータを選択し、数回クリックするだけで保護プロセスを開始できます。ストレージレベルでの高度なデータ保護のセットアップと運用がシームレスに行えるため、ユーザーは何を保護すべきかを驚くほど簡単に選択できます。Covert...

データの長期保存はクラウドが最適?安全で低コストな運用法を解説

重要なデータをクラウドで長期保存するには、セキュリティ、コスト、可用性を考慮した運用が必要です。本記事では、長期保存に適したクラウドストレージの種類や選定ポイント、バックアップ・アーカイブや階層化といったクラウド運用戦略など、安全かつ効率的にデータを長期間保管するための方法を解説します。データの長期保存にクラウドが選ばれる理由ビジネスにおけるデータ価値の向上と、それに伴うデータ量の増加は、企業の保管体制やコストに大きく影響しています。従来、データ保存は自社内でサーバーを管理するオンプレミスが主流でしたが、ハードウェアの老朽化や拡張性の限界、運用コストの高さといった課題がありました。これに対してクラウドには、初期投資を抑えられることや、データ量に応じて柔軟に容量を拡張できるスケーラビリティ、運用負荷の軽減など、大きなメリットがあります。こうした背景から、データの長期保存先としてクラウドが選ばれるようになっています。長期保存に利用されるクラウドストレージの種類クラウドストレージは、データのアクセス頻度や用途に応じて複数の種類が用意されています。それぞれの特徴に応じて、適切に使い分けることが重要です。ホットストレージ日常的に使用される、アクセス頻度の高いデータを保存するためのストレージです。高速なデータアクセスが可能ですが、その分ストレージ単価は他の階層に比べて高めに設定されています。ウォームストレージアクセス頻度はそれほど高くないものの、必要になった際には即時アクセスしたいデータの保存に適しています。ホットストレージよりは低コストで、後述するコールドストレージよりは高速にアクセスできる、コストと即時性のバランスが取れたストレージです。コールドストレージコンプライアンス対応や記録保持のために、ほとんどアクセスしないデータを非常に低コストで保管できるストレージです。ただし、サービスによりデータの取り出し(復元)時間は大きく異なり、数時間〜数日程度と幅があります。このため即時性が求められるデータにはあまり向きません。また、取り出し時に追加コストが発生するサービスも多く存在します。長期のデータ保存に適したクラウドストレージの選定ポイントクラウドストレージを選定する際は、価格の安さだけでなく、ビジネス要件を満たすサービスかどうかを多角的な視点で評価することが不可欠です。堅牢なセキュリティとコンプライアンス対応長期保存においては、保存時と転送時の暗号化、アクセス権限管理、多要素認証といった堅牢なセキュリティ機能が不可欠です。さらにISO/IEC 27001等の第三者認証を取得しているか、国内では個人情報保護法や電子帳簿保存法、海外取引ならGDPRなどの法規制に準拠しているかも重要な確認事項です。これらが整備されていることで、情報漏えいや不正アクセスのリスクを最小限に抑え、法的要件を満たした運用が可能となります。料金体系の分かりやすさ(追加料金の有無)クラウドは単純な容量料金だけでなく、データ転送料金やAPIリクエスト料が発生する場合があります。特にデータ取り出し(エグレス)時に想定以上の費用が発生する場合も少なくありません。そのため、総合的なコストを試算し、料金体系が明確で予測可能なサービスを選ぶことが大切です。「エグレス料金が無料」といったシンプルなモデルを採用するサービスは、長期的にコスト管理しやすい点でメリットがあります。ビジネスを止めないパフォーマンスと可用性データの可用性は、長期保存においても非常に重要です。SLA(Service Level Agreement)で高可用性を保証するサービスを選ぶことで、障害時にも迅速にアクセスできる環境を確保できます。また、アーカイブデータであっても必要に応じて短時間で取り出せるかどうかは、業務継続性に直結します。保存コストが安くてもアクセス性が低ければ実用性を損なうため、パフォーマンスと可用性を両立するサービスを選びましょう。安全・効率的なデータ長期保存を実現する運用戦略長期保存の安全性とコスト効率を高めるためには、適切なクラウドサービスを選定したうえで、データの特性に応じた運用戦略を策定することが重要です。バックアップとアーカイブの違いを正しく理解するバックアップとアーカイブは混同されがちですが、目的が異なります。バックアップの目的はシステムの障害に備えた「復旧」であり、アーカイブの目的は利用頻度の低いデータを「長期保管・参照」することです。データを安全かつ効率的に長期保存するためには、まず目的を明確にしたうえで、それぞれに適した運用方法を設計する必要があります。クラウド階層化によるコストとパフォーマンスの最適化すべてのデータを単一の高価なストレージに置く必要はありません。データの価値やアクセス頻度に応じて、ホット、ウォーム、コールドといった適切なストレージ階層へ自動的にデータを配置する「階層化」を検討してみましょう。階層化を適切に行うことで、コストを最適化しながら、必要なデータへのアクセス性も確保するという、理想的なデータ管理を実現できます。まとめDXの進展により増え続けるデータを安全かつ効率的に管理するために、クラウドはデータの長期保存に最適な選択肢と言えます。しかし、そのメリットを最大限に引き出すためには、目先の保存料金だけでなく、セキュリティやコスト(特にデータ取り出し料金)、さらに可用性の3つの観点からサービスを慎重に評価することが非常に重要です。これらの課題を解決し、コストを抑えつつ高いパフォーマンスと信頼性を実現するのが、Wasabiのクラウド階層化ソリューションです。詳細については、以下のページからご確認ください。...