INDUSTRY

クラウド予算を抑えて医療ITコストを削減

Fri Oct 24 2025By 07b4ea2a-2dd1-4ee9-bd30-a3e191022b14

現代の医療業界には、非常に大きなプレッシャーがかかっています。病院や医療機関では、人員不足や運用コストの上昇をはじめ、コンプライアンスの遵守、競争力の維持などに対応する必要があるほか、特にITの分野に関して、少ないリソースでより多くの成果を上げることが求められています。予算は限られていても、データの需要が尽きることはありません。

医療データの保存は、このストレスを最も顕著に表しています。医療機関は、厳格なHIPAAコンプライアンス要件に基づき、患者データを何年も、場合によっては何十年も保持する必要があります。さらに、大量のデータを安全に保存するだけでなく、監査機関がいつでも確認できるように常にアクセス可能な状態で適切に保護することが求められます。

ほぼ無限の拡張性と柔軟性を備えたクラウドコンピューティングが登場したことで、医療業界におけるデータストレージの課題は完全に解決したかのように思われました。しかし、クラウドストレージは便利でコンプライアンスにも対応している一方、隠れたコストがかかる傾向にあり、すぐさま新たな課題が発生することになりました。

複雑な価格プラン、データへのアクセスやデータ取得にかかる料金、非アクティブなデータを長期保存するための継続的な費用など、予測できないコストに多くの病院が悩まされる可能性があります。「使用した分だけ支払う」というプランを選んだ場合でも、思いがけないコストが加算された請求書が届くこともあります。

医療機関には、予期せぬコストがかからない状態でクラウドストレージ本来のメリットを得られる、よりスマートなアプローチが必要です。適切なクラウドストレージを選択することで、医療ITチームは使いやすいツールで予測可能なコスト管理、患者データの保護、ランサムウェア回避を実現することができます。

医療業界のストレージ特有のニーズを把握する

医療機関に必要なクラウドストレージをより深く理解するには、この業界に求められるストレージの複雑さを認識する必要があります。 以下の課題は、多くの場合、IT予算にも影響を及ぼします。 

長期保存

患者データは長期的に保持する必要があります。医療記録は、患者の治療計画に欠かせない要素です。X線やMRIスキャンなどの医療画像は品質と解像度が向上しており、健康上の問題を特定するのに非常に役立ちますが、これらのデータを保存するにはより大きなストレージ容量が求められます。  

また、業界の規制により、病院や医療機関では患者の記録および画像データを最長20年間保管することが義務付けられる場合があります。実際、小児科の記録の中には、患者が30代になるまで保存しなければならないものもあります。規制で定められた期間データを保持しない場合、高額な罰金がかかる可能性があります。 

私たちが保有する医療データのなかには、1990年代まで遡って保存することが義務付けられているものもあります。これまでは、週末を丸ごと使ってバックアップ作業を行う必要がありました。古いデータすべてを別の場所に低コストで保存できるだけでなく、どの年のファイルが必要になった場合でも関係者がいつでも簡単にデータを取り出せるソリューションを求めていました。

District Medical Group、最高情報責任者、Kevin Rhode氏

バックアップ

医療データは患者の治療を大きく左右するため、バックアップが不可欠です。必要に応じてバックアップデータを保持することで、コンプライアンスに対応することができます。また、組織が罰金を科されることなく監査を通過するのにも役立ちます。

医療機関では、インシデント発生時にビデオ映像を確認できるように、監視データを定期的にバックアップする必要もあります。ビデオ映像の保持に関する規制は、医療における標準的なデータ保持義務とは異なる場合がありますが、他の規制と同様に重要であることは変わりありません。   

予算オーバーになりがちな医療クラウドコスト

バックアップを含む長期のデータ保存は、医療機関のIT予算を大きく圧迫する要因のひとつです。それでも、ストレージが必要であることに変わりはありません。 

2025年版Wasabi Cloud Storage Indexレポートでは、調査対象の医療機関のうち、2024年にクラウドストレージ予算が超過してしまった組織の割合は57%を占めました。予算オーバーになった理由は多岐にわたります。 

  • データ運用料が予想を上回った(48%)

  • 実際のストレージ使用量と拡張率が予想を上回った(37%) 

  • クラウドプロバイダーによるストレージコストの値上げ(48%)  

  • API呼び出し料(PUTおよびGET、読み込みおよび書き出し、復元)が予想よりも上回った(27%) 

  • データ取得料が予想よりも上回った(41%) 

  • データ削除料が予想よりも上回った(25%) 

  • 下り転送料が予想よりも上回った(26%) 

このデータから、大半の医療機関においてIT予算の予測と実際の支出が大きく乖離していたことがわかります。また、調査対象のうち、1/3の組織は、クラウドストレージへの支出が「予算を大幅に超過した」と報告しています。

注目すべき点は、データのわずか19%のみが、1年に1回未満しかアクセスされない「コールド」データだったことです。つまり、残りの81%は頻繁に使用およびアクセスされるデータであるということです。 

また、先述した予算オーバーの要因7つのうち、4つはデータアクセスに関連しています。これは、医療機関がデータを長期保持する必要がある一方で、時折または頻繁にデータにアクセスする必要があることを示しています。そして、データアクセスによる手数料はあっという間に増加する恐れがあります。 

予期せぬ出費がIT予算以外にも大きな損害をもたらす可能性 

クラウドストレージ料金は、医療業界に明らかな影響を及ぼしています。Cloud Storage Indexレポートでは、クラウドストレージのサブスクにかかった総額のうち追加料金が課された割合として、最も多かった回答は31~40%でした。これでは、2024年に多くの組織が予算オーバーになってしまったのも不思議ではありません。

具体的には、どういった作業に対する料金が医療業界全体の予算を圧迫しているのでしょうか?これは、クラウドストレージで実行するさまざまなアクションひとつひとつに少額の料金が発生しているのです。そういったアクションの例には、以下のものが含まれます。

  • GET-データの読み取りまたは取得 

  • PUT-データの変更または修正

  • APIリクエスト・API呼び出し-GET、PUT、その他の操作の総称。APIが操作を実行

  • 下り転送-保存場所からのデータ転送 

クラウドストレージの基本料金に加えて、保存したデータへのアクセス、移動、変更、さらには削除など、何らかの操作を行うたびに料金が請求される可能性があるのです。

こういった状態は、予算の超過にとどまらず、組織における業務の妨げとなることもあります。Cloud Storage Indexレポートレポートによると、下り転送およびアクセス料金が加算されたことでIT業務やビジネスに遅延・悪影響が及んだとした回答者は53%を占めました。  

追加料金が発生する場合、組織内でバックアップテストや検証を行う頻度が減る可能性があります。また、サイバーレジリエンス向上に役立つイミュータブル機能を取り入れない組織が出てくるかもしれません。さらに、分析やAIイニシアチブに向けたデータ取得が延期される場合もあります。より適切なプラットフォームに移行せずに、必要な機能を提供しない場所にデータを保存し続けることで、さらに料金が発生することも考えられます。  

料金が医療業界全体で大きな負担となっている今、そういった料金が発生せず、信頼性の高いクラウドストレージが求められています。

手数料なしのWasabiでクラウドコストを削減

Wasabi Hot Cloud Storageは、お手頃かつ予測しやすい明瞭な価格プランで、IT予算を圧迫しないスマートなソリューションです。私たちは、アクセス頻度に関係なく、すべてのデータにアクセスしやすい単一層の高性能ストレージを提供します。 

臨床データの場合、いつ、どのデータが必要になるかはわかりません。そのため、下り転送料が発生しないWasabiのモデルは非常に便利でした。予期せぬコストを心配することなく、いつでも大量のデータにアクセスすることができます。

Imperial College Healthcare NHS Trust、テクニカルアーキテクト、Yusuf Mangera氏

クラウドストレージのコストを大幅に押し上げる下り転送料、APIリクエスト料などは一切請求されません。Wasabiのユーザーが支払うのは、テラバイトあたりの月額料金のみです。さらに、Wasabi Account Cloud Managerを使うことで、組織全体にわたるクラウドストレージの集中管理とプロビジョニングを容易かつ直感的に行うことができます。

Wasabiのクラウドストレージは使い方が簡単で、複雑なツールやスキルは必要ありません。しかし、シンプルで予測可能な価格設定だからと言って、Wasabiのストレージサービスが大手他社よりも劣っているわけではありません。Wasabiでは、強力なサポートを得ながら無料かつ高度なセキュリティ機能を活用し、機密性の高いデータを保護することができます。また、WasabiはHIPAAをはじめ、プライバシーやセキュリティに関する業界規制への準拠もサポートしています。こういった要素に役立つツールとして、単独のユーザーによるデータ削除を防止するマルチユーザー認証、オブジェクトロックによるイミュータブル機能、下り転送の監視とバケットログ記録、無料かつ安全なレプリケーション機能などが挙げられます。

Wasabiは、バックアップデータアーカイブデータに必要なタイミングでアクセスできる、最適なソリューションです。さらに、高度なセキュリティ機能であらゆるランサムウェアに対応し、データ保護戦略を強化します。

結論

多くの医療機関では、サービス品質を低下させることなくコストを抑えるというプレッシャーが高まっています。そのため、クラウドストレージについて再考し、予測可能なコスト内で必要な柔軟性と拡張性を備えたソリューションを見つける必要があります。  

Wasabiはそういったニーズに応え、安全で使いやすく、コスト効率に優れたクラウドプラットフォームで多くの医療機関をサポートしてきました。医療機関は、コストを抑えた状態でデータを安全に保存でき、追加料金なしでいつでもアクセスできるという安心感を得ることができます。また、予期せぬ料金がかからず予算に余裕が生まれることで、余った資金を他の戦略に投入し、新しい患者サービスの提供と成果の向上に注力できるようになります。 

アナリストレポート

よりスマートなインフラで医療業界のワークフローをナビゲート

こちらのIDCレポートでは、患者データの保護、コスト削減、重要な診断およびワークフロー全体におけるコンプライアンス自動化を実現する方法について、無料でご確認いただけます。

レポートを読む(英語)
image of currency symbols underneath a laptop and images of storage hardware
INDUSTRYクラウドの成功事例:あらゆる業界でWasabiがストレージの総コストを削減

監視システムに役立つ高度なデータ保護とサイバーレジリエンス

監視システムの記録が映画祭で評価されることはありません。しかし、そこには悪意のある人物が侵入しようとする様子など、貴重なデータが含まれています。監視ビデオの量が増加するにつれてデータの保存・保護はますます困難になり、もはやオンプレミスのシステムでは対応できなくなりました。さらに、昨今はコンプライアンスへの遵守とリスク管理に不可欠なサイバーレジリエンスを確立することも必要とされています。こう言った状況において、ハイブリッドクラウドストレージは継続的なデータ可用性とサイバー脅威への耐性を実現します。高度なデータ保護の需要が増加 監視システムは元々、比較的小規模なスタンドアロンのソリューションでした。しかし現在では、数十台、数百台、さらには数千台のカメラからの映像を取り込む、ネットワーク化されたクラウド統合エコシステムへと進化しました。現代の監視システムは膨大な量のデータを生成しています。場合によっては、1台のカメラで毎月400ギガバイトものビデオデータが生成されることもあります。つまり、500台のカメラ監視を備えている場合(こういったケースは珍しくありません)、毎年2.4ペタバイトという驚異的なデータが生成されることになります。  これらのビデオデータはすべて、サイバーリスクにさらされています。「何時間も駐車場や工場の床を映しただけのビデオを手に入れたいと思う人などいるはずがない」と、意外に感じる方も多いかもしれません。しかし、ある人にとっては退屈なビデオでも、産業スパイにとっては宝の山となる場合もあります。それ以外にも、監視ビデオは様々な理由でハッカーから狙われています。その他の理由としては、企業や政府を混乱もしくは困惑させたいという政治的動機に基づく「ハクティビズム」が挙げられます。監視カメラから得られるデータには、顔、名前、ナンバープレートの番号などの機密の個人情報や企業秘密も含まれることがあります。こういったデータは、恐喝の材料になりうるほか、評判を傷つける可能性のある「ディープフェイク」動画の作成に利用される恐れがあります。また、コンプライアンス上の理由や保険ポリシーの要件を満たすために監視データの保存が求められることもあります。こういったルールに縛られた状態でランサムウェア攻撃を受けた場合、ビデオデータを復号化するための身代金を支払うことになります。支払いを拒否すれば、ポリシー違反に対する罰金や罰則が科せられる可能性があります。  ビデオ監視セキュリティにおけるハイブリッドクラウドの役割 オンプレミスストレージの容量では、規模が拡大する監視ビデオデータに対応することができません。オンサイトストレージも、 火災、自然災害、盗難などが発生するとビデオファイルが失われてしまうため、単一障害点(SPOF)になる恐れがあります。 一方、ハイブリッドクラウドには高い将来性があります。例えば、パフォーマンスやレイテンシを考慮して監視ビデオデータの一部をオンサイトで保存する必要がある場合、オンプレミスのストレージがいっぱいになると、古いファイルがクラウドストレージに移動します。このようなハイブリッドクラウドアーキテクチャにより、ローカルストレージとクラウドストレージの最適なバランスが実現します。クラウドには無制限の拡張性と冗長性が備わっており、単一障害点のリスクからも解放されます。ストレージ容量の上限がほぼ無限なため、監視システムにカメラを追加する場合も、オンプレミスストレージの容量拡張について心配する必要がありません。監視カメラのセカンドコピーによってデータレジリエンスを確保 他分野のITワークロードではすでに一般化されており、ビデオ監視データの保存を担当する組織でも取り入れるべき慣行があります。それが、ミッションクリティカルなカメラデータのセカンドコピーを作成することです。ここには、3-2-1ルールの実装も含まれます。3-2-1ルールとは、データのコピーを1つ作成し、それらを2つの異なる種類のメディアに保存し、1つをオフサイトに保管するというデータ保護戦略を指し、データ損失をゼロにすることを目標としています。このようにデータの復元力を保つことで、コンプライアンスと免責のニーズにも役立ちます。バックアップコピーがないと、組織はハードウェア障害、故意の破壊行為、データの破損に対応しにくくなります。主要システムに障害が発生した場合には、監視映像に即座にアクセスする必要があります。迅速なアクセスによって、法的機関による不法侵入者の逮捕や、緊急サービスチームによる火災の原因特定、負傷者の発見などに役立ちます。より長期的な面では、保険会社や規制当局が事故や災害の詳細を確認する際にアーカイブビデオを提出できるよう、信頼性の高いアクセスが求められる可能性もあります。  また、ビデオファイルの保持は、法律や業界で義務化されているフレームワークにも関係しています。たとえば、化学工場では、米国政府が制定した化学施設テロ対策基準(CFATS)を遵守する必要があります。この基準では、高リスク施設でのビデオ監視を含むセキュリティ対策が義務付けられています。政府による取り決めがない場合でも、多くの企業は訴訟や保険会社への対応に備えて監視ビデオを録画しています。たとえば、従業員が職場での負傷で訴訟を起こした場合、ビデオ記録によって事件当時の詳細を確認できます。こういった場合に備えてクラウドストレージを使うことで、監視ビデオで求められるデータレジリエンスを簡単に実現することができます。Wasabi Surveillance Cloudでは、ビデオデータの自動バックアップを継続的に実行することも可能です。一度設定すればそれ以上の操作や調整を必要としないため、オフサイトのビデオストレージにおけるコンプライアンス遵守と免責に大きなメリットがもたらされます。ビデオ監視のサイバーレジリエンスを確保するためのベストプラクティスビデオストレージの専門家は様々な方法でサイバーレジリエンスを確保しており、そのベストプラクティスの例として以下が挙げられます。監視ネットワークにゼロトラストセキュリティモデルを実装する-監視ビデオを見返すことは、ほとんどありません。しかし、だからと言ってそのデータを誰も必要としていないと考えるのは誤りです。特に機密データの場合は強力なサイバー対策が必要となり、こういったニーズに応えるのがゼロトラスト(ZT)モデルです。このモデルは、アクセス要求に対して「決して信頼せず、常に検証する」という応答をデフォルトで採用し、ファイルアクセスの範囲を可能な限り狭く制限することで、監視ビデオへの不正アクセスを防ぎます。    ロールベースのアクセス制御(RBAC)を使用して不正アクセスを制限する-ユーザーのアクセス権限を個別に追跡するのは、しばしば困難な作業を伴います。例えば、監視ビデオへのアクセス権を持っていた従業員が、まったく別の部署に異動することがあります。ここで、その従業員のアクセス権を取り消す必要がありますが、管理者がそれを知らない(または覚えていない)場合、不要になったアクセス権限を保持し続けるユーザーが存在することになります。これにより、リスクが高まる恐れが発生します。RBACは、職務別にアクセス権を割り当てることでこの問題を解決します。この方法では、ユーザーの役割が変更されると、そのユーザーのアクセス権が自動的に失われ、リスクが軽減されます。 重要なアクションに複数の承認を義務付ける-ビデオデータの削除や抽出など、重要な作業を実行する場合に理想的なのが、マネージャーまたはその他の資格を持つ人物による承認を必ず行うことです。Wasabiでは、独自のマルチユーザー認証機能によってこのプロセスを容易に行うことができます。これを利用することで、重要なアクションを実行する際に複数の人物による承認が義務化されます。監視インフラのセキュリティ監査と侵入テストを定期的に実施する-監視ビデオデータを保護するためのシステムや対策を見直すのも効果的です。最善の防御対策を講じている組織でも、侵入テストやレッドチーミングを実施し、悪意のある攻撃者がビデオにアクセスできるかどうかを確認しています。一部の企業では、外部コンサルタントを利用してこれを定期的に行います。代替案としては、監視ビデオのインフラにホワイトハット攻撃を継続的に実行し、セキュリティの落とし穴を見つける自動侵入テストソフトウェアを使用する方法があります。また、データセンター施設の物理的なセキュリティを監査することもベストプラクティスとして挙げられます。例えば、Wasabiのストレージ領域はSOC2に準拠しており、ISO27001およびPCI-DSSの認定を受けています。 クラウド統合を含む災害復旧により、継続的な運用を確保する-災害復旧(DR)計画においても、監視ビデオデータを考慮する必要があります。目標は、停電・自然災害・サイバー攻撃が発生した場合でも、運用が中断されない環境を確保することです。クラウドを統合することで、ビデオデータに対して無制限に拡張できるフェイルオーバーインスタンスが提供され、この目標を容易に達成することができます。暗号化によってビデオデータを保護する-悪意のある攻撃者にデータが侵害された場合、そのデータが暗号化され、使用不能になることがあります。こういった状況に備えて保存中および転送中のビデオデータの保護を強化するのが、サーバーサイド暗号化(SSE-C)です。Wasabiではこの機能に加えて、ビデオデータを不変にする暗号化ハッシュが使える機能も提供します。この手法でデータを保護すると、悪意のある人物による変更または削除することができなくなるため、ランサムウェアへの強力な対策となります。  結論:安全なクラウドストレージで将来に役立つ監視を実現  「未来を予測することはできない」という古い格言は、監視ビデオには当てはまりません。今後、ますます大量のビデオデータをキャプチャおよび保存する必要が生じ、データに対する脅威はより巧妙化することが予想されています。こういった予測を踏まえて、今後に対応できる監視ビデオのストレージを備える必要があります。監視ビデオにおけるサイバー対策アプローチで優先すべき事柄は多岐にわたりますが、中でも特にクラウドストレージを重視することが不可欠です。WasabiのHot Cloud Storageは、まさにこう言った需要に応えます。Wasabiは、監視ビデオに特化したSurveillance Cloudを提供し、シームレスでコスト効率が高く、非常に安全なビデオストレージを実現しています。詳細については、Wasabiのお客様導入事例をご確認ください。...

Wasabiのイミュータブル機能はなぜ無料なのか?

現代のサイバー攻撃では、貴重なビジネスデータに悪意ある改ざんが行われることがよくあります。ランサムウェアは、データを暗号化、破損または削除し、復元と引き換えに身代金を要求します。サイバー犯罪者は、痕跡を消すためにログファイルを書き換えることもあります。データをイミュータブル(不変)な状態にすることは、データの変更、暗号化、削除を防ぎ、ランサムウェアなどのサイバー脅威に対する有効な防御策となります。データの不変性を実現するオブジェクトロックを活用することで、ストレージ層で一度書き込まれたデータは改ざんすることができなくなり、安全性が確保されます。これにより、攻撃者は侵害されたデータを変更または削除できなくなるため、サイバー攻撃の範囲と影響が大幅に制限されます。ただし、安全性と不変性が確保されたデータ保存のためにクラウドバックアップを利用する組織は、データ保護に多額の費用を支払っている可能性があります。多くのクラウドサービスプロバイダーでは、APIリクエストを介してオブジェクトロックを実装および管理し、ストレージコストに加えた追加料金を請求しています。これによって、コストの複雑さと予測不可能性が高まるだけでなく、組織がイミュータブル機能の導入を躊躇する原因となり、全体的なデータセキュリティの低下につながっています。セキュリティコスト大手のクラウドストレージプロバイダーは、オブジェクトロック自体には料金を請求しません。しかし、オブジェクトロックを介してイミュータブルストレージを有効化・維持するために膨大なAPI操作が必要になる場合があり、結果としてコストがかさみます。例えば、オブジェクトロックは、ロックされたオブジェクトのライフサイクル中に多数のAPI操作を実行する場合があります。これらの操作にはそれぞれ、保持設定の有効化、オブジェクトバージョンの識別、オブジェクトの不変性パラメータの確認などの独自の機能が伴います。AWSの場合、これらのAPI操作ごとに料金が発生するため、実際の請求を確認するまでオブジェクトロックの有効化にかかるコストを把握できない恐れがあります。以下の画像は、Wasabiが発行したクラウドコスト最適化についてのeBookから引用したもので、ある企業がAWSから請求された実際の月次コストを示しています。特に、オブジェクトロックの期間を設定する「WriteObjectLockRetentionInfo」のAPI操作コストが、ストレージ自体のコストのほぼ半分を占め、ストレージ以外の請求で最も高価であることがわかります。API料金は、ストレージ使用量と、特定の請求期間中の保存データへのアクセス頻度に応じて変動するため、月ごとに大きな変動が生じる可能性があります。このように高額なうえ、見通しのしにくい価格を考えると、たとえセキュリティ上のメリットがあったとしても多くの企業がオブジェクトロックの選択を諦めてしまうのも無理はありません。2025年のCloud Storage Index調査によると、99%の企業が不変性保護が有益なセキュリティツールであると認識しているにもかかわらず、実際にこの機能を活用している企業はわずか47%にとどまっています。Wasabiのイミュータブル機能が無料である理由Wasabiは、クラウドストレージに対して手数料無料のアプローチを採用しています。データの下り転送料やAPIリクエスト料が不要なため、ストレージコストは低く抑えられ、月ごとに予測可能になります。保存するデータの量さえわかっていれば、請求額もわかります。オブジェクトロックの場合、関連するAPI操作に対して追加料金を支払うことなく、クラウド内で不変性を実現することができます。多くの企業では、脅威者による改ざん、暗号化、削除から機密性の高いビジネスデータを保護する能力に依存しています。そのため、オブジェクトロックを選択することは企業のセキュリティやコンプライアンスプログラムを大きく左右するものと言えます。追加コストなしで不変性を実現することで、すべてのストレージ環境におけるデータのセキュリティと整合性が向上し、金銭的な負担を負うことなく広範な保護が確保されます。重要なデータが誤って削除されても誰も得をしません。安全で変更不可能なバックアップを維持する機能は、ランサムウェアとの戦いにおいて貴重なツールとなります。Wasabiのアプローチは、クラウドストレージ料金を大幅に削減し、クラウド費用に関する見通しを向上させる可能性を秘めています。私たちは、ハイパースケーラーによるデータセキュリティのコストがクラウドストレージ料金に与える影響を示す、不変性コスト計算ツールも作成しました。この直感的なツールは、さまざまなクラウドプロバイダー間での不変性コストを比較するほか、Wasabiを使用した場合のコストと比べることができます(ちなみに、Wasabiでの不変性コストは無料です)。ぜひお試しいただき、どれだけのコスト削減が可能かご確認ください。...

ストレージ料金をも上回るクラウドレプリケーションの総コストを理解する

クラウドレプリケーションとは、同一または異なるストレージ領域にデータセットのコピーを複数作成して、維持することです。このプロセスを通して、多くのIT担当者がアプリケーションのパフォーマンスおよび稼働率の向上、災害復旧に役立てています。しかし、クラウドレプリケーションサービスには予期せぬ様々な料金が発生します。ストレージ容量の追加コストよりもはるかに高額なレプリケーションコストがかかることで、ビジネス開発の妨げや総所有コスト(TCO)の大幅な増加につながる恐れもあります。レプリケーションの種類かつてのレプリケーションは、フロッピーディスクをPCに挿入し、そこにファイルをドラッグするだけのシンプルなものでした。現在では、専用のソフトウェアを使用して、あるデバイスから別のデバイスにデータをコピーすることでレプリケーションが行われます。多くの場合、セキュリティと冗長性対策として、これら2つのデバイスは異なる場所に配置されます。また、異なる地域にあるクラウドデータセンター間でデータをコピーする、クラウド間レプリケーションも増化しています。なぜレプリケーションを行うのか? データレプリケーションは、なぜ必要なのでしょうか?クラウドデータレプリケーション戦略の背景には、以下のような要因が考えられます。事業継続性、セキュリティ、災害復旧(DR)-あるリージョンから別のリージョンにデータをレプリケーションすることで、自然災害やランサムウェアなどのサイバー攻撃が発生した場合のデータ損失リスクを軽減します。コスト削減、階層間の移行-レプリケーションにより、高コストのストレージから「コールド」ストレージなどをより低コストのストレージ層にデータを移行できるようになります。(ただし、このオプションは、必ずしも経済的メリットがあるとは限りません。)パフォーマンスに関する考慮-エンタープライズリソースプランニング(ERP)などのソリューションでは、特定のデータセットに関して、高いパフォーマンスを実現するための近接性を考慮する必要があります。例えば、クラウドベースの編集などのワークロードでは、クラウドでホストされているデータへの即時アクセスが不可欠であり、ユーザーとデータ間の距離が大きな違いを生みます。データ分析とAIワークロード-分析と人工知能は、運用データベースとは切り離し、分析・AIワークロード専用に設定されたデータリポジトリ(Snowflakeレプリケーションなど)にデータを複製するのが最適です。クラウドレプリケーションのコストを理解するレプリケーションにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ヒントとして言えるのは、複製したデータのインスタンスを保存するためのコスト以外にも料金が発生するということです。Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)などのハイパースケーラーでは、2つめのコピーをネットワーク経由で転送する際に、1ギガバイトあたり約2セント(または1テラバイトあたり20ドル)の料金が請求されます。また、コピーするデータの量やコピー先のリージョンによっては、転送料金が複製データ自体のストレージ料金を上回る可能性があります。それだけではありません。レプリカを作成し、そのコピーを別のリージョンの別バケットに配置するたび、1,000オブジェクトごとにAPI PUTリクエスト料金が発生します。さらに、オブジェクトとファイルサイズは同じではないことも把握する必要があります。1ギガバイトのファイルを複製したとしても、クラウドプラットフォームがそれを2メガバイトのチャンク500個に分割し、それぞれに個別のPUT料金が必要になる場合もあり、あっという間に料金がかさんでしまいます。それに加えて、ハイパースケーラーの場合、別のリージョンへのレプリケーションを有効にするためにバージョン管理をオンにする必要があります。そのため、他の費用に加えて、たとえビジネスケースや保存要件がなくてもデータの古いバージョンをすべて保存し、料金を支払うことになります。Wasabiのシンプルかつコスト効率の高いレプリケーションWasabiのレプリケーションサービスは、ハイパースケーラーよりもシンプルなうえ、コスト効率に優れています。Wasabiを使用すると、レプリケーションを簡単に行うことができます。また、料金はストレージに対してのみ発生するため、データ転送料やAPIリクエスト料が不要で、レプリケーションのためにバージョン管理をオンにする必要もありません。Wasabiのストレージリージョンを活用することで、追加費用なしで世界中にデータを保存することができます。結論クラウドレプリケーションは、ビジネスの継続性、セキュリティ、パフォーマンス、可用性に欠かせない要素です。ただし、ハイパースケーラーの場合、データ転送、APIリクエスト、バージョン管理の料金が発生するため、レプリケーションのコストが予想よりも高くなる可能性があります。Wasabiはこれに対して、データ転送料やAPIリクエスト料、バージョン管理が不要で、費用対効果が高く、一貫した価格のソリューションを提供します。...