データ保護
Wasabiのイミュータブル機能はなぜ無料なのか?
現代のサイバー攻撃では、貴重なビジネスデータに悪意ある改ざんが行われることがよくあります。ランサムウェアは、データを暗号化、破損または削除し、復元と引き換えに身代金を要求します。サイバー犯罪者は、痕跡を消すためにログファイルを書き換えることもあります。
データをイミュータブル(不変)な状態にすることは、データの変更、暗号化、削除を防ぎ、ランサムウェアなどのサイバー脅威に対する有効な防御策となります。データの不変性を実現するオブジェクトロックを活用することで、ストレージ層で一度書き込まれたデータは改ざんすることができなくなり、安全性が確保されます。これにより、攻撃者は侵害されたデータを変更または削除できなくなるため、サイバー攻撃の範囲と影響が大幅に制限されます。
ただし、安全性と不変性が確保されたデータ保存のためにクラウドバックアップを利用する組織は、データ保護に多額の費用を支払っている可能性があります。多くのクラウドサービスプロバイダーでは、APIリクエストを介してオブジェクトロックを実装および管理し、ストレージコストに加えた追加料金を請求しています。これによって、コストの複雑さと予測不可能性が高まるだけでなく、組織がイミュータブル機能の導入を躊躇する原因となり、全体的なデータセキュリティの低下につながっています。
セキュリティコスト
大手のクラウドストレージプロバイダーは、オブジェクトロック自体には料金を請求しません。しかし、オブジェクトロックを介してイミュータブルストレージを有効化・維持するために膨大なAPI操作が必要になる場合があり、結果としてコストがかさみます。例えば、オブジェクトロックは、ロックされたオブジェクトのライフサイクル中に多数のAPI操作を実行する場合があります。これらの操作にはそれぞれ、保持設定の有効化、オブジェクトバージョンの識別、オブジェクトの不変性パラメータの確認などの独自の機能が伴います。AWSの場合、これらのAPI操作ごとに料金が発生するため、実際の請求を確認するまでオブジェクトロックの有効化にかかるコストを把握できない恐れがあります。
以下の画像は、Wasabiが発行したクラウドコスト最適化についてのeBookから引用したもので、ある企業がAWSから請求された実際の月次コストを示しています。特に、オブジェクトロックの期間を設定する「WriteObjectLockRetentionInfo」のAPI操作コストが、ストレージ自体のコストのほぼ半分を占め、ストレージ以外の請求で最も高価であることがわかります。

API料金は、ストレージ使用量と、特定の請求期間中の保存データへのアクセス頻度に応じて変動するため、月ごとに大きな変動が生じる可能性があります。このように高額なうえ、見通しのしにくい価格を考えると、たとえセキュリティ上のメリットがあったとしても多くの企業がオブジェクトロックの選択を諦めてしまうのも無理はありません。2025年のCloud Storage Index調査によると、99%の企業が不変性保護が有益なセキュリティツールであると認識しているにもかかわらず、実際にこの機能を活用している企業はわずか47%にとどまっています。
クラウドオブジェクトストレージのコストを明らかにする
クラウドストレージの予算超過にお困りの場合は、隠れコスト関するガイドをダウンロードしてストレージ費用をご確認ください。
Wasabiのイミュータブル機能が無料である理由
Wasabiは、クラウドストレージに対して手数料無料のアプローチを採用しています。データの下り転送料やAPIリクエスト料が不要なため、ストレージコストは低く抑えられ、月ごとに予測可能になります。保存するデータの量さえわかっていれば、請求額もわかります。
オブジェクトロックの場合、関連するAPI操作に対して追加料金を支払うことなく、クラウド内で不変性を実現することができます。多くの企業では、脅威者による改ざん、暗号化、削除から機密性の高いビジネスデータを保護する能力に依存しています。そのため、オブジェクトロックを選択することは企業のセキュリティやコンプライアンスプログラムを大きく左右するものと言えます。
追加コストなしで不変性を実現することで、すべてのストレージ環境におけるデータのセキュリティと整合性が向上し、金銭的な負担を負うことなく広範な保護が確保されます。重要なデータが誤って削除されても誰も得をしません。安全で変更不可能なバックアップを維持する機能は、ランサムウェアとの戦いにおいて貴重なツールとなります。
Wasabiのアプローチは、クラウドストレージ料金を大幅に削減し、クラウド費用に関する見通しを向上させる可能性を秘めています。私たちは、ハイパースケーラーによるデータセキュリティのコストがクラウドストレージ料金に与える影響を示す、不変性コスト計算ツールも作成しました。この直感的なツールは、さまざまなクラウドプロバイダー間での不変性コストを比較するほか、Wasabiを使用した場合のコストと比べることができます(ちなみに、Wasabiでの不変性コストは無料です)。ぜひお試しいただき、どれだけのコスト削減が可能かご確認ください。
単一のクラウドプロバイダーに統合するのは魅力的です。グローバル展開、統合されたサービス、拡張性、これらは企業に安心感を与えます。一方で、単一障害点(シングルポイントフェイラー)によって一度セキュリティが破綻してしまうと、ビジネスは大きなリスクを晒されることとなります。アプリケーション、データストレージ、バックアップを単一のクラウドプロバイダーに依存することは、企業が負う必要のないリスクを生み出す可能性があります。単一クラウドプロバイダーへの依存リスクアプリケーション、バックアップ、バックアップ ストレージについて 単一のクラウドプロバイダーだけに依存すると、次のようないくつかの危険に直面します。システム全体の脆弱性: サービス停止やクラウドプロバイダーのインフラストラクチャを標的としたサイバー攻撃が発生すると、アプリケーション、業務データ、バックアップへのアクセスが同時に失われます。これにより業務が停止し、復旧に時間がかかり、コストも発生します。選択肢の制限: 単一のクラウドプロバイダーに依存すると、柔軟性が制限されます。価格を交渉やコストを伴わず中断なしにクラウドプロバイダーを変更したりすることが困難になる可能性があります。セキュリティの弱体化: 今日のサイバー脅威は急速に進化しています。攻撃者がクラウドプロバイダーのシステムの脆弱性を発見すると、デジタルインフラ全体に侵入する可能性があります。規制上の課題: 法律上、複数の地域にまたがるデータ保存が求められることがよくあります。単一のクラウドプロバイダーだけでは、コンプライアンス要件を満たす適切な地理的範囲をカバーできない場合があります。複数のクラウドプロバイダーで戦略を強化解決策は単純です。クラウドデータを一箇所にまとめないようにすることです。複数のクラウド環境でリスクを分散させることで、データのセーフティネットを構築できます。Wasabiはまさにこのセーフティネットに適しており、既存のクラウド環境とスムーズに連携するストレージソリューションを提供しています。Wasabiが多くの企業に選ばれる理由は何でしょうか?それは、メインのバックアップストレージとしても、既存のバックアップのバックアップとしても完璧に機能するからです。S3互換のため、既にお使いの主要なバックアップアプリケーションと簡単に連携できます。また既存のアプリケーションを丸ごと置き換える必要はありません。既存のアプリケーションに追加するだけです。Wasabiの魅力は、データを移動に課金されないことです。データを取り出すための転送料も、データにアクセスするための API リクエストに対しても一切料金はかかりません。データは、いつでもどこでも好きなときに移動できます。データはあなたのものだからです。WasabiのAPIポリシーは、APIリクエストの主要な要因であるサードパーティアプリケーションとの通信にも適用されます。APIリクエストは無料で、Wasabiはお気に入りのアプリケーションと接続したストレージに進化します。当社の大規模なパートナーネットワークは、 AIを活用した分析アプリ、データ管理プラットフォームなど、あらゆるもので構成されています。そのため、データをどのように活用したいとしても、料金は一切発生しません。毎月の請求額に戸惑い、心配する必要はありません。Wasabiでは、保存したデータに対してのみ料金が発生します。隠れた料金や最低利用期間、予期せぬ追加料金は一切ありません。だからこそ、コストを抑えながらバックアップの冗長性を構築したい企業にとって、Wasabiは最適な選択肢です。もちろん、確かなセキュリティ対策がなければ、Wasabiをバックアップストレージプロバイダーと呼ぶことはできません。サイバーセキュリティは、データ活用への私たちのコミットメントに不可欠な要素です。強固なセキュリティ基盤がなければ、データを自由に活用することはできません。多層防御による保護Wasabiは、階層化されたセキュリティアプローチを採用し、サイバーレジリエンスの高いストレージを可能にします。データ暗号化、シングルサインオン(SSO)、ロールベースアクセス制御(RBAC)、多要素認証(MFA)といった業界標準のセキュリティ機能に加え、Wasabiは以下の機能を提供します。マルチユーザー認証:...
AIについて確かに言えるのは、学習に大量のデータが必要だということです。大規模言語モデル(LLM)、画像生成、推奨アルゴリズムのために入力できるデータが多ければ多いほど、精度の高い結果につながります。しかし、AIは単にビッグデータを読み込めるだけでなく、私たちが所有する膨大な量のデータを理解するのにも役立ちます。AIは、インデックス作成、カタログ化、画像認識を通じて強力な検索エンジンとなり、企業におけるデータの扱い方を再定義しました。つまり、AIエンジンを利用できるようになった途端に、ほぼすべての企業データが価値あるものとして見なされるようになったのです。長期アーカイブの「コールド」なデータでさえ、AIモデルを通せば貴重な洞察を得られる可能性があります。アクティブアーカイブにおけるコールドデータの種類 もちろん、組織にはアーカイブ以外にもさまざまなデータがあります。特にメディアを多用する組織では、新しいデータや積極的に利用するデータが絶えず流れ込む状況に対処する必要があります。しかし、コールドデータ資産を徹底的に理解し、その戦略的価値を最大限に引き出すことも重要です。 Active Archive Allianceの年次レポートによると、コールドデータは主に以下の3つに分類されます。履歴データ:過去のプロジェクトや分析のために収集されたが、現在は積極的に使用および学習されていないデータ。更新されたデータによって置き換えられた、旧バージョンのデータも含まれる。長期コンプライアンスデータ:参照またはコンプライアンスの目的で保存されているが、進行中のAIタスクでは積極的にアクセスされないデータ。規制遵守や法的要件のほか、長期的な分析のために収集されたデータが含まれる。実験データ:主要なワークフローの一部としてではなく、実験目的または予備調査に使用されるデータ。これらのデータセットは参照用として保管されるが、実験が終了すると定期的にアクセスされることはない。AIに適したアーカイブ環境を作成するコツは、AIパイプラインの各段階に適切なストレージを選択することです。Wasabiでは、データの取り込みとアーカイブの段階に重点を置いています。ストレージに求められるのは、効率的に拡張して膨大なメディアアーカイブを収容できることです。また、人間とAIの両方にシームレスなオンデマンドアクセスを提供しながら、低コストで実用的に実装できることも重要です。Wasabiは、これらの要素をすべて兼ね備えたクラウドオブジェクトストレージを提供します。さらにWasabiはこの度、Active Archive Allianceに最新のクラウドオブジェクトストレージベンダーとして参加いたします。コスト要因 アーカイブに携わる方であれば、「安価で大容量」という表現で販売されるアーカイブストレージを目にしたことがあるかもしれません。「安価で大容量」なクラウドストレージは、テラバイトあたりの初期コストが低いかもしれませんが、予期しない隠れたコストが発生し、全体の価格が急上昇することがよくあります。クラウドオブジェクトストレージの領域では、ストレージに支払う料金をはるかに上回るデータアクセス料金や利用料金が発生する可能性があります。実際に、Wasabi 2025 Cloud Storage Index Reportによると、ストレージ料金の半分近くがストレージ以外の料金に充てられていたケースも確認されています。安価なコールドストレージ層では、データアクセスのインスタンスごとに料金が請求されます。そのため、1,000件あたりわずか1セントなど、少額の料金設定の場合でも、合計額がすぐに膨らんでしまいます。こう言ったケースは、特にAIを扱う際に当てはまります。AIは、新しいモデルの学習や微調整の目的で、アーカイブデータへ定期的にアクセスします。AIを活用したアクティブアーカイブ戦略を検討している組織は、クラウドストレージを選択する際、お買い得に見える製品にも注意を払う必要があります。データへのアクセスやデータ移動に高額な料金を課して予算を圧迫することのないストレージプロバイダーを検討しましょう。Wasabiを選ぶメリットWasabi...
新年が明けて1か月以上が経ちましたが、2025年の目標はまだ覚えていますか?その目標にはおそらく、販売ノルマの達成、顧客向けサービスのアップセル、クラウドストレージサービスに関する知識の向上などが含まれていることでしょう。Wasabiは、チャネル向けに設計されたクラウドストレージで効率を最大化し、利益率を拡大できる体制を提供します。また、Wasabiの多様なパートナー向けサービスを通して、お客様の目標を念頭に置いて設計された、独自の教育サービスをご利用いただけます。 最新トレーニングコースであるWasabi 技術認定は、チームで設定した目標の達成に向けたサポートを行います。このコースはシステムエンジニアやソリューションアーキテクトを対象としており、Wasabi Hot Cloud Storageの技術的な詳細や、お客様が最も求める機能について学ぶことができます。チームのメンバー全員がアクセスしやすく、使いやすい仕様になっています。トレーニングコースの内容トレーニングは、Wasabi Hot Cloud Storageの紹介と、Wasabi Account...