ジェネラル

Wasabiが提案する災害対策

Wed Aug 28 2024By Yasuhiro Ozawa

スマホが市民権を獲得した頃を境に、我々の日々の暮らしや仕事はITによって一気に様変わりしました。コミュニケーション、移動手段やロジスティクス等の確認や購入、物品の購入、情報収集、制作行為、など身近にある様々な物事がネットワークに接続され、あらゆる活動がコンピューターを利用し効率的に実施可能な、なんとも便利な世の中になりました。もはやIT無しではほとんど何も遂行することができないと言っても過言ではありません。

ところで、日本の陸地面積は全世界の0.3%に満たないにも拘わらず、世界で発生するM6以上の地震のうち何と20%以上が起きていることをご存じでしょうか?。 発生場所も時間も予測できない大地震。 データセンターの壊滅やラック転倒、長期停電、火災など、データロスや長期にわたるサービス停止など甚大な被害も発生しうる事態です。 IT依存度が非常に高まり、IT利用を放棄するということができないわけですから、災害が発生しても様々な活動を継続できるようにするための対策が必須ではないでしょうか。

さて日本の企業/組織において、果たしてどれくらいの方々が自信を持って「IT環境の災害対策は万全である」と答えられるでしょうか。
一般的に、災害に強いIT環境を構築しようとした場合、非常に多くのコストがかかってきます。

 ・ハードウェア環境を2セット購入し、遠隔地のデータセンターに1セットを配置する

 ・十分なインターネット回線(または専用線)を用意する

 ・メイン環境、遠隔地環境双方にかかる以下のリソースとコストを用意する

  • 複数のベンダーに支払う環境構築費

  • 運用を任せられる現地スタッフ

  • 利用期間(例えば5年間)に発生する電気代、空調代、回線利用代、その他のランニング費用

  • 利用期間(例えば5年間)に発生する障害対応、ソフトウェアアップデート、リソース枯渇に対するシステム増強など人的リソースの確保

  • 利用期間終了後の次世代環境リプレイス計画

  • 利用期間が終了した旧機材の撤去や廃棄コスト

日本国内に存在する企業のうち99.7%が中小企業です(※ 中小企業庁公表のデータより)。

インフラ環境に何億円も投資できる企業は総数からするとほんの僅かであり、自信を持って「IT環境の災害対策環境は万全である」と答えられる企業は実は極めて少ないと考えられます

クラウド環境の選択と課題

まさにこのような災害対策の需要に対し理想的な選択肢となるのがクラウド環境の利用です。

  • ハードウェア環境等の準備が必要ない。それに伴い技術的専門知識も必要ないことが多い。

  • IT機器以外の周辺環境を気にする必要もない(ラック、空調、UPS、非常時の交通手段など)

  • 設置場所を問わない。思い立ったら選択可能なリージョン(地域)で数日以内に環境構築可能

  • ハードウェアの保守期間満了に伴う環境リプレイスの懸念から解放される

  • 現地に運用スタッフがいる必要が無い

オンプレのハードウェア環境の利用が当たり前だった時代と比べるとはるかに手軽にDR対策環境の準備と運用が可能になります。

一方で、一般的なクラウド環境の利用においても、隠れたコストが課題となることが多いことに注意が必要です。 ストレージの価格以外にも以下のような追加費用が存在することをご存じでしょうか?プロジェクト期間(例えば5年間)の利用総額が結果的にいくらかかるのか見立てが難しいという結論に至ることがほとんどです。

  • バックアップジョブが走るたびに発生するコスト(API利用費)

  • レプリケーション実施の際などに発生する、リージョンを出るコスト(下り転送料、GB単位)

  • データリストアの際に発生する、リージョンを出るコスト(下り転送料、GB単位)

クラウドを利用することで旧来のオンプレ環境よりも高額になってしまったケースさえ散見されます。
これでは、「莫大なコストがかかってしまうために災害対策できない」という課題への解決策とはとても言い難い選択肢です。

Wasabiという選択肢

これらの災害対策の構築にあたりWasabiの選択肢がベストであることを幾つかのパターンで紹介させて頂きます。

いずれのパターンにおいても、Wasabiの特徴である以下の要素が重要なキーとなります。

  • Wasabiはクラウドストレージ業界でも最高水準の99.999999999%(11-9s、イレブンナイン)の耐久性でデータを守ります。オンプレ製品とは比較にならないレベルの信頼性を、専門知識を必要とすることなく気軽にご利用頂けます。

  • 一般的なクラウドサービスと異なり、ダウンロード料やAPI利用料などデータの出し入れにかかわる追加費用は一切ありません。費用が発生するのはご契約頂くストレージ容量に対する料金のみとなるため、長期の利用目的であってもコスト試算が至ってシンプルです。結果的にハイパースケーラーなどと比較すると場合によっては80%も安価に運用できるのです。保険的な投資である災害対策などコストをかけたくないサービスにおいて最適な選択肢といえるはずです。

Wasabiは業界標準のS3 API互換のストレージのため、バックアップ目的以外にもファイルサーバーやIoT/クラウドネイティブアプリケーション環境など、様々な環境からご利用頂けます。

■提案パターン1: 既存のバックアップ環境へのアドオン■

現在、多くの企業は下に示す<図1>のような環境ではないでしょうか。

アプリケーションを運用する本番インフラ環境を、何らかのバックアップソリューションを利用して、ローカルストレージにバックアップされていると思います。

Wasabiは既存の環境に大きなメスを入れることなく簡単なDR対策の構成を提案します。

Wasabiは日本国内で流通している様々なバックアップソフトベンダーと提携しています

多くのベンダーからWasabiがサポートされているため、既存環境をDR対策したい場合、Wasabiを購入し、ご利用中のバックアップソフトウェアの設定変更を行うだけで災害対策環境が完成します。

また多くのバックアップソフトは、クラウド環境へのDRデータクローンの実施を無償としているため、Wasabi費用のみで災害対策ができてしまいます。

これまでDR対策のために総額 数千万~数億の費用をご利用されていた方、もしかすると1/50以下の費用で同じ目的を達成できてしまうかもしれません。

しかも、Wasabi DRストレージを改ざん不可のイミュータブル設定にする事でランサムウェア対策としてもご利用頂けます。当然追加費用はかかりません。 低コストで一石二鳥の目的が達成できる、とても効率の良い提案ではないでしょうか?

既存環境にDR対策・ランサムウェア対策としてWasabiを追加<図1: 既存環境にDR対策・ランサムウェア対策としてWasabiを追加>

■提案パターン2: Wasabiレプリケーションを利用した遠隔データ保護■

上位クラスのバックアップ用ストレージには重複排除機能を持ち、かつ信頼性・冗長性に優れた製品も数多く存在します。それらは当然高コストあることが多く、全てのユーザーが利用できるものではありません。やむを得ず信頼性に乏しい低価格製品を採用せざるを得ないケースも少なくないでしょうし、または現在上位クラスの製品をご利用の方でも、昨今の円安に伴う値上げで想定外の見積に不満を持たれている方も多いのではないでしょうか?

Wasabi バケット レプリケーションについて紹介致します

Wasabiは<図2>で示す通り、アジア地域では東京・大阪・シンガポール・シドニーの4つ(※2024年現在)のリージョンでサービスを展開しています。このアジア地域のリージョン間でのバケットレプリケーションは無料でご利用頂けます

例えば東京リージョンにバックアップを行えば即座に大阪リージョンに同一のデータが複製され、DRを目的とした遠隔データ保護を専門知識なしに簡単に実現できます。

大地震まで考慮し大陸プレートが異なる地域でデータ保護したい場合、東京→シドニーへのデータ複製でも数クリック程度のプロセスで実施できます。

高品質な環境でかつ遠隔データ保護構成を低価格で実現できるWasabi。 既存のバックアップ環境を見直したいという方に最適な環境を提案可能です。

無料でご利用頂けるWasabiバケット レプリケーション<図2: 無料でご利用頂けるWasabiバケット レプリケーション>

■提案パターン3: Wasabiレプリケーション 自動リダイレクト(2025年登場予定)■

Wasabiバケットレプリケーション機能強化版として自動リダイレクト機能が利用可能となります。 例えば東京→大阪リージョンでレプリケーションを実施した際、メインサイトの東京が大規模災害等でサービス停止を伴う甚大な被害を受けた際、それを検知してサブサイトの大阪にアプリケーションの接続先が自動的に切り替わります。

従来、災害発生に伴いサービス停止が発生した際、異なるリージョンを利用したサービス再開のためには、アプリケーション側でストレージ接続先の変更など手動で設定を操作する必要がありましたが、それらも不要となります。Wasabiは多目的用途のストレージであるためバックアップ目的だけでなくファイルサーバーや他のサービスにも応用可能となりますので、災害発生時でもサービス停止を極力避けたいシステムのストレージを全てWasabiに統合するのは合理的な判断であると言えるでしょう。

Wasabiレプリケーション 自動リダイレクト<図3: Wasabiレプリケーション 自動リダイレクト>

■提案パターン4: Wasabiレプリケーション Air Gap(2025年登場予定)■

主にランサムウェア対策の機能強化、Air Gap機能も今後追加されます。

Air Gap設定を行うと、2つのリージョン間でリンクされたバケットは以下の状態となります。

  • レプリカの取得(バケットレプリケーション)

  • イミュータブル化(書換え不可モード)

  • インビジブル(バケットをネットワーク上から不可視状態にする)

  • アクセス不可

ランサムウェア攻撃者から確実にデータを保護できるため、災害対策だけでなくデータの安全性も各段に向上します。

Wasabiレプリケーション Air Gap<図4: Wasabiレプリケーション Air Gap>

データ保護の目的と構成について、御社の現在の状況を今一度見直されることをおすすめしたいと思います。

  • 人的データロス、ハードウェア障害データロスだけでなく、災害、ランサムウェア等、その他のあらゆる攻撃からその環境は保護できているのか?

  • 既存環境ではデータ保護に対し、いくらくらいのコストがかかっているのか?

  • そもそもDR対策のための遠隔データ保護なんてコストも高いし、遠隔サイトに人もいないので、検討にすら止めていなかったか?

Wasabiの提案するソリューションであれば、技術的にもコスト的にも皆さまの不安を解消できることを説明させて頂きました。

具体的なお悩みがあればご相談ください。環境に合わせた最適な提案をさせて頂きます。

長文になってしまいましたが最後までご清覧ありがとうございました。

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企業の災害対策はなぜ重要?データ損失を防ぐクラウドストレージ活用術とは

企業活動にとってデータはまさに生命線。しかし、南海トラフ巨大地震や首都直下型地震など、いつ起こるか分からない自然災害は企業が保有するデータ、そして事業継続そのものを脅かす深刻なリスクとなります。想定される経済損失、事業停止、そして信頼失墜のリスクを最小限に抑えるためには、災害対策、特にデータ保護の強化が急務です。本記事では、企業が今すぐ取り組むべき災害対策の重要性と、データ損失を防ぐための具体的な手段として、クラウドストレージ活用の有効性について解説します。巨大地震・災害から企業を守る! 今からできる対策とは?地震大国と呼ばれる日本。いつ、どこで巨大地震が発生してもおかしくありません。すべての企業は、災害による被害を最小限に抑え、事業を継続していくために、できる限りの対策を講じておく必要があります。想定される被害規模と企業活動への影響政府の内閣府中央防災会議によると、南海トラフ巨大地震による経済被害は最大で約220兆円と推定されています。これは東日本大震災で発生した経済被害の、約10倍に相当する規模です。参考:国土交通省|2.南海トラフ地震・ 首都直下地震対策について個々の企業においても、建物や設備の損壊はもちろん、サプライチェーンの寸断や従業員の安全確保など、さまざまな要素が事業活動に影響を及ぼすと考えられます。とりわけ企業活動の基盤となる「データ」が失われた場合、業務の復旧が遅延し、顧客離れや取引停止など、長期に渡り深刻な影響を受けることになるでしょう。企業はこうした甚大な被害リスクを認識して、早急な対策を講じる必要があります。事業継続計画(BCP)におけるデータ保護の重要性企業が災害に備えるためには、事業継続計画(BCP)の策定が不可欠です。BCPとは、災害時に重要な業務を中断させない、または早期復旧するための計画のこと。そしてBCPにおいて特に重要な要素となるのが、データ保護です。顧客情報や売上情報、設計図などのデータは、企業にとって重要な資産です。災害によってデータが失われてしまうと、事業の復旧が困難になるだけでなく、企業の存続すら危ぶまれる事態になりかねません。BCPでは、データのバックアップ体制の構築、災害時のデータ復旧手順などを明確化し、データ損失リスクを最小限に抑えることが重要です。災害対策にクラウドストレージが有効な理由とは?事業継続計画(BCP)において、重要なデータを守るための有効な手段として注目されているのが「クラウドストレージ」です。従来のオンプレミス型のデータ保管と比べ、災害対策の観点から多くのメリットがあります。安全なデータ保管を実現するクラウドの仕組みクラウドストレージは、インターネット経由でアクセスできるデータセンターにデータを保管するサービスです。物理的なストレージを自社で用意する必要がなく、低コストで導入・運用できることが大きなメリットです。また、複数のデータセンターにデータを分散して保管する仕組みを持つため、災害発生時にもデータ消失のリスクを大幅に抑えることができます。これが、クラウドストレージの大きな強みである「高可用性」です。さらに、クラウドストレージは、必要な容量を必要なだけ利用でき、データ量の増減にも柔軟に対応できます。そのため、急激なデータ増加にも対応でき、事業の変化に合わせた柔軟な運用が可能です。オンプレミス型と比較!クラウドストレージの優位性従来型のオンプレミス型では、災害時に備えて、バックアップ用のストレージを別の場所に設置する必要がありました。しかし、物理的な距離が近い場合、広範囲な災害が発生した際に、同時に被害を受けてしまうリスクがあります。一方、クラウドストレージは、地理的に離れた複数のデータセンターにデータを分散して保管するため、広範囲の災害にも強く、データ損失のリスクを大幅に低減できます。また、災害発生時のデータ復旧も迅速に行えるため、事業のダウンタイムを最小限に抑えられる点も強みです。さらに、クラウドストレージは運用負荷やコスト面でも優れています。オンプレミス型の場合、システムの構築・運用・保守に多大な費用と人手が必要になりますが、クラウドストレージでは、これらの負担を軽減できます。企業が選ぶべきクラウドストレージサービスの条件一口にクラウドストレージサービスと言っても、提供事業者やサービス内容によって機能や性能はさまざまです。企業が災害対策として導入する際には、自社のニーズや重要データの保護レベルに合わせて、最適なサービスを選ぶ必要があります。災害対策に最適なクラウドサービスを見極めるまず重要なのは、データの耐久性と信頼性です。データセンターの耐震性や電力供給の安定性、災害発生時のデータ保護体制など、信頼性の高いサービスを選ぶ必要があります。具体的には、データセンターの場所や設備、サービスレベル契約(SLA)などを確認しましょう。次に、データ転送速度と復旧時間(RTO/RPO)も重要な要素です。災害発生時に、どれくらいの時間でシステムを復旧させ、業務を再開できるかは、事業継続に大きく影響します。データ転送速度が速く、RTO/RPOが短いサービスを選ぶことで、事業中断による損失を最小限に抑えられます。さらに、重要な企業データを守るためには、セキュリティ対策も欠かせません。アクセス制御やデータの暗号化、セキュリティ認証など、強固なセキュリティ対策が施されたサービスを選ぶことが重要です。提供事業者のセキュリティに関する認証取得状況なども確認しておきましょう。クラウドを使ったデータ保護対策とは最適なクラウドストレージサービスを選んだ上で、より強固なデータ保護体制を構築するために、クラウドサービスの機能を最大限に活用することも重要です。例えば、複数のデータセンターにデータを複製して保管する「データの多重化」は、リスク分散に有効な手段です。万が一、1つのデータセンターが災害で損害を受けても、他のデータセンターからデータ復旧が可能になります。また、「遠隔地バックアップ」も重要な対策です。地理的に離れたデータセンターにデータをバックアップすることで、広範囲な災害時にもデータを守る確率を高められます。これらの機能を組み合わせることで、より安全で安心なデータ保管体制を構築できます。早めの対策が肝心! 安心できるデータ保管体制をいつ起こるか分からない自然災害のリスクから、企業の重要なデータを守ることは喫緊の課題です。事業継続を維持し、顧客からの信頼を守り抜くためには、データ損失対策は待ったなしと言えるでしょう。安全性の高いデータ保管体制を構築するためにも、早急にクラウドストレージの導入を検討することをおすすめします。適切なサービスを選ぶことで、災害発生時にも事業への影響を最小限に抑え、企業の安定的な成長を支えることができるでしょう。この機会に、自社のデータ保護対策を見直し、安心できる未来に向けた第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。...

SLA稼働率で失敗しないために!計算方法からクラウドストレージの選び方まで徹底解説

システムの安定稼働は、ビジネス継続性と深く関係する重要な要素です。一方で、システム安定稼働の指標となるSLAについて正しく理解している人は、それほど多くありません。この記事ではSLAの基礎知識から稼働率の計算方法、クラウドストレージにおけるSLAの重要性について解説します。自社にとって最適なクラウドストレージ選びの一助となれば幸いです。システム安定稼働の要!SLAについて理解しようビジネスの安定運用には、システムの安定稼働が不可欠です。まずはその指標となるSLAについて、基礎から理解を深めていきましょう。SLAとは?SLA(Service Level Agreement)とは、サービス提供事業者と利用者の間で締結される、サービスの品質に関する合意書のことです。稼働率はSLAの中核指標の一つであり、システムが正常に稼働している時間の割合を示します。システム停止は、機会損失、復旧費用、ブランド毀損など、ビジネスに計り知れない損失をもたらします。そのため、RFP(提案依頼書)においても、安定稼働を担保するSLAの稼働率は重要な評価項目となっています。SLAの稼働率に影響を与えるダウンタイム稼働率を考える上で重要なのが、ダウンタイム(サービス停止時間)です。ダウンタイムには、計画ダウンタイムと計画外ダウンタイムの2種類があります。計画ダウンタイムは、システムメンテナンスやバージョンアップなど、事前に計画されたサービス停止時間を指します。一方、計画外ダウンタイムは、ハードウェア故障やソフトウェアの不具合、災害など、予期せぬ事態によって発生するサービス停止時間を指します。SLAでは、計画ダウンタイムを稼働率の計算から除外することが一般的です。しかし、計画外ダウンタイムは、サービスの信頼性に関わる重要な要素となるため、その発生頻度や対応時間などが厳しく規定されます。SLAの稼働率計算をマスターしようSLAの稼働率は、以下の計算式で算出されます。稼働率=(期間中の総時間−ダウンタイム) / 期間中の総時間×100%例えば、1年間(365日=8,760時間)で合計8.76時間のダウンタイムが許容される場合、稼働率は99.9%となります。このようにダウンタイムが短くなるほど、稼働率は小数点以下の数字が増えていきます。数字の長さは稼働率の高さ、つまりシステムの信頼性の高さを示すと言えるでしょう。SLA稼働率「ナイン」の定義とビジネスへの影響SLA稼働率は「ナイン」の数で表現されることが一般的です。99.9%は「スリー・ナイン」、99.99%は「フォー・ナイン」と呼びます。スリー・ナイン(99.9%):年間約8.76時間のダウンタイム許容。一般的なビジネス要件に対応可能。フォー・ナイン(99.99%):年間約52.56分のダウンタイム許容。より高い安定稼働が求められるシステムに適応。イレブン・ナイン(99.999999999%):年間約31.5ミリ秒のダウンタイム許容。ミッションクリティカルなシステムに求められる最高水準。データの重要性が高まり、ビジネスのシステムへの依存度が高まる現代において、高いSLA稼働率を満たすサービスを選択することが、企業の競争力を維持する上で不可欠となっています。クラウドストレージにおけるSLA稼働率の重要性データ損失は企業活動に致命的な影響を与えかねません。このため、企業の重要な資産であるデータを預けるクラウドストレージにおいて、SLAの稼働率は重要な選定基準となります。データ消失は企業にとって致命傷!顧客情報や売上データ、設計図面など、データは企業にとって欠かせない資産です。もしもの事態でデータが消失してしまえば、復旧にかかる費用や機会損失といった金銭的損失だけでなく、顧客からの信頼失墜、ブランドイメージの低下など、事業継続を揺るがす深刻な事態になりかねません。企業は、事業継続計画(BCP)の一環として、重要なデータを安全に保管し、いつでもアクセスできる体制を整えておく必要があります。高いSLA稼働率を保証するクラウドストレージサービスの利用は、そのための重要な施策の一つと言えるでしょう。クラウドベンダー選びで重視すべきポイントとはいえ、クラウドストレージサービスを選ぶ際はSLA稼働率の高さだけにとらわれず、多角的な視点を持つことが重要です。データセンターの安全性や冗長性も重要な検討要素です。自然災害や火災などへの対策、電力供給の安定性、データのバックアップ体制などが適切に整備されているかを確認しましょう。また、障害発生時の対応体制や復旧までの時間も重要なポイントです。迅速かつ適切な対応、情報公開の透明性など、信頼できるベンダーであるかを見極める必要があります。過去のインシデント情報を確認することも、ベンダーの信頼性を判断する上で参考になります。Wasabi Hot Cloud Storage:イレブン・ナインのデータ耐久性を実現WasabiのHot Cloud Storageは、高いSLA稼働率と堅牢なセキュリティを兼ね備えたクラウドストレージサービスです。Wasabiが誇る最高レベルのデータ保護機能Wasabi...