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ストレージコストの仕組みとは?最適化の方法と注意点について解説

Fri Oct 17 2025By e2d26bb0-242e-4a7e-ad66-f01f3f3505c7

クラウドストレージは便利ですが、データ量やアクセス頻度によってコストが膨らむことがあります。本記事では、ストレージコストの仕組みや種類ごとの料金体系、コストを最適化する方法、クラウド選定時の注意点までをわかりやすく解説します。企業やクリエイターが無駄なくクラウドを活用するための実務的ガイドです。

ストレージコストとは

ストレージコストとは、単にデータを保存するための「容量」だけでなく、データの保管・利用にかかる総合的な費用のことです。

多くのクラウドサービスでは、基本となる容量料金に加えて、データへのアクセス頻度、データの転送量、さらにはAPIリクエストの回数に応じた課金などが組み合わさって最終的なコストが決定します。そのため、「ギガバイト単価が安い」ことだけを理由にサービスを選んでしまうと、思いがけない追加費用が発生することがあります。

ストレージコストを正しく理解するには、容量料金だけでなく、利用状況によって変動する費用項目も考慮に入れることが大切です。

ストレージコストを構成する要素

ストレージコストは、主に「保存容量料金」「アクセス料金」「データ転送料」の3つの要素で構成されています。

データ保管料金

データ保管料金は、ストレージに保存しているデータ量に応じて発生する、最も基本的なコストです。通常、GB(ギガバイト)やTB(テラバイト)を単位として月額で課金されます。この料金は、保存データ量の増加に伴い直線的に増えるため、「シンプルで予測しやすいコスト」と言えます。

データ転送料

ストレージから外部へデータをダウンロードしたり、異なる国や地域(リージョン)へデータを転送したりする際に発生する、「隠れコスト」の代表格です。特に、グローバルにサービスを展開する企業や、大容量のデータを外部のパートナーと頻繁にやり取りする場合、この料金に注意する必要があります。

APIリクエスト料金

プログラムによる操作(APIリクエスト)に応じて課金される費用です。頻繁にデータへアクセスするシステムでは、この料金がコストを押し上げる要因になることがあります。特に、バックアップなどの長期保存を目的とした安価なアーカイブストレージでは割高な料金が設定されていることが一般的です。

主要クラウドストレージの料金体系モデル

クラウドストレージを選定する上で、料金体系の理解は避けて通れません。ここでは、市場で主流となっている2種類の料金モデルを比較し、それぞれのメリットとデメリットを解説します。

モデル1:複雑な従量課金モデル(AWS, Azure, Google Cloud)

Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudに代表される主要メガクラウドは、非常に多機能で柔軟性の高い「従量課金モデル」を採用しています。このモデルでは、データ保管容量料金だけでなく、データへのアクセス頻度やリクエスト料金、さらにデータ転送料など、複数の要素が複雑に絡み合って毎月の支払い額が決まります。

このモデルには、利用量が増えたり、使い方を誤ると、コストが予想外に膨らむリスクがあります。特に注意が必要なのが「データ転送料(下り)」です。これはクラウドからデータをダウンロードする際に発生する費用で、多くのユーザーにとって「隠れコスト」となりがちです。

例えば、バックアップデータをリストア(復元)したり、海外拠点から大容量のデータにアクセスしたりするだけで、数万円から数十万円もの予期せぬ転送料金が発生することも珍しくありません。このように、コストの正確な予測が難しく、予算管理が煩雑になる点が、このモデルの大きなデメリットと言えるでしょう。

モデル2:予測可能なシンプル料金モデル(Wasabi)

複雑な従量課金モデルとは対照的に、Wasabi Hot Cloud Storageは「予測可能なシンプル料金モデル」を提供しています。このモデルの最大の特徴は、月々のコストが純粋なデータ保管容量料金のみで決まる点です。コスト増の大きな要因となり得るデータ転送料(下り)や、アクセス・操作ごとにかかるAPIリクエスト料金が一切かかりません。

この料金体系は、ユーザーに2つの大きなメリットをもたらします。第一に、「隠れコスト」を心配する必要がないため、安心してデータを利用できる点です。大容量の動画ファイルやバックアップデータを、コストを気にすることなくいつでもダウンロードできます。

第二に、コストの予測が非常に容易であることです。「データ保管量×GB単価」という単純な計算式で月額費用を算出できるため、IT部門の予算計画が格段に立てやすくなります。毎月の請求額が安定し、コスト管理の負担が大幅に軽減される点は、多くの企業にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

料金モデル比較表

Comparison chart of cloud storage pricing models for major providers and Wasabi Hot Cloud Storage, showing differences in cost and features.

ストレージコストを最適化する方法

増え続けるストレージコストを管理して最適化するには、いくつか有効なアプローチがあります。ここでは、その代表的なものを紹介します。

利用状況の可視化と分析

コスト最適化の第一歩は、現状を正確に把握することです。どのデータに、どれくらいの頻度でアクセスがあるのか、また、どれくらいの期間保存されているのかを分析します。クラウド事業者が提供する管理ツールなどを活用し、不要なデータやアクセスされていないデータを特定することが重要です。

データライフサイクル管理

データライフサイクル管理は、データの価値やアクセス頻度の変化に応じて、保存場所を自動的に最適化する仕組みです。例えば、「作成から90日経過したデータは、自動的にホットストレージから安価なコールドストレージへ移動する」といったルールを設定することで、手動での管理負担を減らし、コストを継続的に削減できます。

冗長化・バックアップの最適化

データの保護は重要ですが、過剰なバックアップや複製(冗長化)はコストを増大させます。データの重要度に応じてバックアップの世代数を調整したり、バックアップデータを保管するリージョンをより安価な地域に設定したりすることで、可用性を維持しつつ、コストの最適化が可能です。

クラウド選定時の注意点

ストレージコストで失敗しないためには、サービスを選定する際に以下の点に注意する必要があります。

まず、Webサイトに表示されているGB単価などの「表示価格」だけで判断せず、データ転送料やAPIリクエスト課金を含めた総コストで比較検討することが不可欠です。特に、データ転送量が多い使い方を想定している場合、転送料の有無が総コストに大きな影響を与えます。

また、料金体系の分かりやすさも重要な選定基準です。複雑な料金体系はコストの予測を困難にし、予算管理の負担を増大させます。将来的なデータ移行の可能性にも配慮し、特定のベンダーに依存する「ベンダーロックイン」を避けるためにも、コストが明確で予測しやすいサービスを選ぶのが賢明です。

まとめ

本記事で解説したように、ストレージコストは「容量」「アクセス」「転送」という複数の要素で構成されています。コストを最適化するためには、これらの要素を理解した上で、データの用途に応じてホット・コールド・アーカイブといったストレージタイプを適切に使い分けることが重要です。

クラウドストレージを導入した後も、データライフサイクル管理などを活用し、定期的に利用状況を見直して最適化を続けることで、コスト削減を目指しましょう。

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Wasabi Hot Cloud Storage

ストレージコストの最適解

ストレージコストは「容量」「アクセス」「転送」という複数の要素で構成されています。コストを最適化するためには、これらの要素を理解した上で、データの用途に応じてストレージタイプを適切に使い分けることが重要です。

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クラウドのROIに関してMSPが直面する5つの厳しい現実

クラウドストレージは、あらゆる組織、特にマネージドサービスプロバイダー(MSP)がサポートするビジネスにとって基盤となる要素です。MSPとは、テクノロジー導入の最前線に立ち、常時接続のオンデマンド環境でクライアントと顧客のやり取りをサポートする役割を指します。最新のCloud Storage Indexによると、過去5年間で72%の組織がクラウドオブジェクトストレージを使用しています。今ではクラウドを単に導入するだけでなく、それに伴う説明責任も求められるようになり、より難解な課題に対応しなければなりません。また、昨今のデータ利用に合わせて構築されていないプラットフォームではクラウドストレージの請求額が予想を上回る傾向にあり、投資利益率(ROI)を検証する必要が生じています。私たちはこの状況に対応するトップクラスのMSPの現状を知るべく、Vanson Bourne社との提携により、大規模かつ複雑な環境を管理するMSPのシニアリーダーたちにインタビューを行いました。そこで得られた情報は驚くほど率直で、一貫性があり、時に困難な課題も伴うものでした。信頼性が高く、コスト効率に優れたクラウドストレージをサービスに組み込む際、MSPが直面する5つの厳しい現実を分析してみましょう。1. データ量は急増しており、その勢いは未だ衰えずデータの増加は減速していません。2024年、クラウドに保存されているデータ量は3.6ゼタバイトにのぼります。IDCは、2028年までにその量は3倍になると予測しています。AIの導入、コンプライアンス、ハイブリッドワークなど、データ増加の原因は多岐にわたります。それが何であれ、大量のデータ生成への早急な対応が求められていることに変わりはありません。インタビューを受けたMSPは、前年比15~20%のストレージ増加を行っていることがわかりました。リモートでの連携、セキュリティログ、AIモデルのトレーニングなどにビッグデータを使用する目的で、ストレージの需要が高まっています。2. 多くのMSPが依然として単一のエコシステムに留まっている多くのMSPは、単一のベンダーに依存しないアプローチを採用し、業界・インフラ・デジタル成熟度が異なるクライアントに幅広く対応しながら増大するデータ需要に対処しています。一方、各ベンダーのプラットフォームはそれぞれ目的が異なります。たとえば、AzureはMicrosoftベースのスタックを多用する企業に適しています。GCPはAI対応のワークロードと分析に秀でています。AWSは多くの場合、汎用ワークロードを強化します。ワークロードのパフォーマンス、コンプライアンス、コスト効率を両立させるには、こういったサービスを適切に組み合わせる必要があります。しかし現実には、MSPのストレージワークロードの70~75%はまだAWS上で実行されています。その理由は、AWSからの移行に高額なコストがかかるためです。データの移動、ワークロードの再調整、ベンダーの完全な切り替えを行う場合は「退出税」として下り転送料を支払う必要があります。もし、ビジネスにより適した別のプラットフォームを見つけたとしても、コストが高額になるため、クラウド移行が困難になる可能性があります。3. データアクセスおよびデータ利用の増加による予算オーバー2024年、MSPの80%がクラウドストレージ料金が予算オーバーになったと回答しています。また、この予算の半分は容量ではなく手数料に充てられたことが判明しました。データは日常的な操作で頻繁にアクセスされるため、コストが急速に増加します。85%の回答者が少なくとも月に1回バックアップデータを復元83%の回答者が少なくとも月に1回アーカイブデータにアクセスバックアップを復元、災害復旧計画のテスト実行、クライアントのアーカイブデータ取得などを行う場合、そのたびにAPI料金、下り転送料、階層移行コストが発生します。そのため、アーキテクチャを変更しない限り、クライアントのニーズに応じるためにより多くの料金を支払うことになります。4. コストを優先することでデータが無防備な状態にCloud Storage Indexでは毎年、セキュリティの重要性を強調していますが、組織の現状は異なるようです。実際に、ランサムウェア、誤削除、内部脅威に対する最も重要な安全対策の一つである不変性(オブジェクトロック)を実際に取り入れているMSPは半数以下でした。この理由は、オブジェクトロックなどのコア保護を有効にするとストレージコストが高くなるためと思われます。オブジェクトロック関連のコストオブジェクトロックを設定するためのPUTリクエスト保持設定を確認するためのGET/HEADリクエストライフサイクルポリシーが変更または拡張された場合のPOST/DELETEリクエストプレミアム機能を追加しないと最低限のセキュリティを得られない状態では、ベストプラクティスやコンプライアンスに対応できず、データの脆弱性が増すことになります。5....

クラウド保存の安全性を高めるには?今すぐ取り組むべき対策を解説

クラウド保存は利便性が高い一方で、依然としてセキュリティに不安を感じている人も少なくありません。本記事では、クラウド保存における安全性の基本から、暗号化、アクセス制御、バックアップ、災害対策といった最新の対策までを整理し、企業や個人がクラウドでデータを安全に管理するための具体的な方法を解説します。クラウドは本当に安全?基本の仕組みと潜むリスク一般的に、クラウドストレージは物理的なオンプレミス環境より安全性が高いとされています。その理由は、堅牢なデータセンター、データの冗長化構成、専門家による24時間365日の監視体制など、サービス提供者が高度なセキュリティ基盤を備えているためです。しかし、クラウド特有のリスクも存在します。例えば、サイバー攻撃やユーザー側の設定ミス、そしてサービス提供者側のシステム障害などです。クラウドのメリットを最大限に活かすには、これらのリスクについて理解し、適切な対策を講じる必要があります。クラウドの安全性を脅かす5つの脅威クラウド上のデータは、さまざまな脅威にさらされています。ここでは、代表的な5つの脅威について解説します。脅威1:外部からのサイバー攻撃悪意のある第三者によるサイバー攻撃は、最も警戒すべき脅威の一つです。データを暗号化して身代金を要求するランサムウェア、システムに侵入して情報を盗むマルウェア、大量のデータを送りつけてサービスを停止させるDDoS攻撃、特定の企業を狙う標的型攻撃など、その手法は多様化・巧妙化しています。これらはいずれも、データの破壊や機密情報の流出などの深刻な被害につながる可能性があるため、攻撃を想定した事前の対策が必要です。脅威2:ヒューマンエラーによる設定ミス高度な技術的対策を講じていても、人為的なミスが原因で情報漏洩が発生するケースは少なくありません。例えば、アクセス権限の設定ミスによって、本来アクセスできないはずの従業員が機密データにアクセスしたり、公開範囲の設定を誤ってインターネット上の誰でもファイルを見られる状態にしてしまうなどのリスクが挙げられます。特にIT部門には、十分な注意が必要です。脅威3:内部不正による情報漏洩悪意を持った従業員や元従業員など、正規のアクセス権限を持つ人物による内部不正も深刻な脅威です。権限を悪用して顧客情報や技術情報などの重要なデータを不正に持ち出したり、システムからデータを削除・破壊したりする行為がこれに該当します。内部不正は外部攻撃に比べて検知が遅れやすく、重大な被害につながりやすいため、権限管理とログ監視が欠かせません。脅威4:サービス提供者のシステム障害クラウドサービス自体にシステム障害が発生するリスクも考慮しなければなりません。例えば、ハードウェアの故障やソフトウェアのバグにより、一時的にデータへアクセスできなくなるケースです。障害の復旧には時間がかかる場合もあり、業務に支障をきたす恐れがあります。事業者の障害対応力やSLA(サービス品質保証)の内容を把握しておくことが大切です。脅威5:大規模な自然災害データセンターが所在する地域で、地震や水害、火災などの大規模な自然災害が発生した場合、データが物理的に消失するリスクがあります。多くのクラウドサービス事業者は複数の地域にデータセンターを分散させるなどの対策を講じていますが、自社のデータがどの地域に保管されているかを把握し、万一の事態に備えておくことが重要です。クラウド保存の安全性を高める基本対策クラウドを安全に利用するためには、ユーザー自身が基本的なセキュリティ対策を実践することが不可欠です。強力なパスワードと多要素認証(MFA)の設定セキュリティの第一歩は、アカウントの保護です。推測されにくい複雑なパスワードを設定するのはもちろんのこと、IDとパスワードに加えて、SMS認証コードや認証アプリなど、複数の要素を組み合わせて本人確認を行う「多要素認証(MFA)」を設定することが極めて重要です。これにより、万が一パスワードが漏洩しても、不正アクセスを大幅に防ぐことができます。アクセス権限の最小化従業員やシステムアカウントには、業務上必要な最小限の権限のみを付与する「最小権限の原則」を徹底しましょう。全員に管理者権限を与えるような運用は、内部不正やアカウント乗っ取り時の被害拡大につながります。部署や役職ごとにアクセスできるデータの範囲をきめ細かく設定し、不要な権限は速やかに削除する運用ルールを明確にすることが重要です。アクセスログの定期的な監視誰が、いつ、どのデータにアクセスしたかを記録する「アクセスログ」を定期的に監視することで、セキュリティインシデントの兆候を早期に発見できます。例えば、深夜や休日の不審なアクセス、特定のユーザーによる大量のデータダウンロードなどを検知することが可能です。ログを監視・分析する仕組みを導入し、異常が発生した際に即座に対応できる体制を整えましょう。企業のデータを守るための高度なセキュリティ技術基本的な対策に加え、より高度な技術を導入することで、データ保護のレベルを飛躍的に高めることができます。データの暗号化暗号化は、データを第三者に読み取られないように保護する基本的な技術です。データがインターネットなどのネットワークを通過する際の「転送中の暗号化(SSL/TLS)」と、ストレージに保存されている状態での「保管中の暗号化(at-rest encryption)」の両方を実施することが不可欠です。これにより、通信の盗聴やストレージメディアの盗難といったリスクからデータを保護できます。バックアップとバージョニングランサムウェア攻撃によるデータ暗号化や、従業員による誤削除といった事態に備え、データのバックアップは必須です。さらに、ファイルの変更履歴を複数世代にわたって保存する「バージョニング機能」を活用することで、問題が発生する前の特定の時点の状態にデータを復元できます。これにより、迅速な事業復旧が可能になります。オブジェクトロック「オブジェクトロック」は、一度書き込まれたデータを、設定した期間中は変更・削除できないようにする機能です。これを利用することで、ランサムウェアによるデータの暗号化(上書き)や、悪意ある第三者によるデータ削除を完全に防ぐことができます。Wasabiの強みでもあるこの機能は、ランサムウェア対策や、法的・規制上の要件(コンプライアンス)を遵守するために極めて有効です。DR(災害復旧)対策DRは、メインのデータセンターが大規模災害などで被災した場合に備えるための対策です。主要拠点とは地理的に離れた別の拠点にデータをリアルタイムで複製しておくことで、メインシステムがダウンしても、速やかに予備システムに切り替えて事業を継続することが可能になります。BCP(事業継続計画)の観点からも非常に重要です。安全性でクラウドサービスを選ぶポイント自社に最適なクラウドサービスを選ぶためには、セキュリティに関する以下のポイントをチェックすることが重要です。第三者認証の取得状況:情報セキュリティに関する国際規格「ISO/IEC 27001」や、米国公認会計士協会(AICPA)が定める「SOC 2」など、客観的な第三者認証を取得しているかを確認します。業界特有のコンプライアンスへの対応:医療分野の「HIPAA」や金融業界の「FINRA」など、自社の業界で求められる規制やコンプライアンス要件に対応しているかを確認します。データセンターの物理的セキュリティと所在地:データセンターの入退室管理や監視体制といった物理的なセキュリティ対策が厳重であるか、またデータの保管場所が自社のポリシーに適合するかを確認します。障害発生時のサポート体制とSLA:障害発生時に迅速なサポートを受けられるか、またサービスの稼働率を保証するSLA(サービス品質保証)が明確に定められているかを確認します。セキュリティ機能の透明性と料金体系:提供されるセキュリティ機能の詳細や、それらが標準機能かオプション料金かなど、料金体系が明確で透明性が高いかを確認します。まとめクラウド保存を安全に行うには、利便性と安全性の両立が不可欠です。MFAの設定やアクセス権限の管理といった基本的な対策はもちろん、暗号化やオブジェクトロックといった最新の技術動向を理解し、自社に取り入れることが安心につながります。そして最も確実な手段は、セキュリティを重視して設計された信頼性の高いクラウドサービスを選択することです。Wasabiは、低コストでありながら企業のデータを最高レベルで保護するセキュリティ機能を提供しています。ランサムウェア対策に有効なオブジェクトロック機能や、堅牢なデータセンターについての詳細は、以下のページをご覧ください。...

本格化するハイブリッドクラウドストレージ:ITリーダーが知っておくべきポイント

企業インフラの近代化が進む中で、明確になったことが一つあります。それは、ハイブリッドクラウドストレージが単なる移行モデルではなく、戦略的に不可欠なものであるということです。Gartner®が発行したレポート“Hype Cycle™ for Storage Technologies” (2025年7月)では、ハイブリッドクラウドストレージはオンプレミス、エッジ、クラウドストレージを統合し、組織がさまざまな場所にまたがってデータを管理できるようにするものとされています。この環境を実現することで、複数の環境にわたって柔軟性、拡張性、コスト効率が向上し、シームレスなデータ移動、管理の改善、連携が促進されます。さらに、ファイル、ブロック、オブジェクトストレージのサポートや、ライフサイクル管理、同期、災害復旧のためのツールを得ることで、データのアクセス性、安全性、レジリエンスが保証されます。組織内のオンプレミス環境およびクラウド環境でストレージとインフラを最適化する方法を探している組織は、このレポートからタイムリーな洞察を得ることができます。組織のストレージ戦略を見直すのに、遅すぎることはありません。本ブログでは、その理由がわかる3つの重要なポイントをご紹介します。私たちは、クラウドストレージの近代化の取り組みにおいて、Wasabiが唯一無二かつ不可欠な要素であると考えています。1. ハイブリッド基盤として台頭するオブジェクトストレージ レポートで推奨されているオブジェクトストレージベンダーの条件は、柔軟性があり、総所有コストを削減できること、幅広い導入オプション(ソフトウェア版、パッケージ版、マネージドホスティング)とライセンスモデル(永久ライセンス、サブスクリプション)があることです。全体的に、企業は多様な環境にわたって非構造化データをより多く管理しています。オブジェクトストレージには拡張性、アクセス性、耐久性が備わっているため、大量のデータを保存し、クラウドでもオンプレミスでも標準化されたプロトコルを介してデータにアクセスすることができます。ポイント:Wasabiのクラウドは完全なオブジェクトベースでS3と互換性があり、ハイブリッド環境に最適です。昨今、ほとんどのアプリやプラットフォームはS3 APIをサポートしています。Wasabiでは、アプリおよびストレージ管理者がこれまで使っている形式を変えずにデータへ容易かつ迅速にアクセスし、長期保存するサポートを提供します。これは、データのバックアップ、メディアのアーカイブ、監視ビデオの保存などに役立ちます。2.コストの透明性を戦略的に優先ITリーダーが最も考慮すべき事項の一つとして、(特に環境間でデータを移動する場合の)予測不可能なクラウドコストが挙げられます。Gartner®は、「コスト効率も重要な推進力の一つです。DHIソリューションでは、実際の使用量に基づいて課金する消費ベースの価格設定モデルを採用することが多く、IT支出を最適化し、不要な支出を削減しています。」と述べています。ポイント:Wasabiでは、データアクセス料、下り転送料、その他のAPI料金が無料で、隠れたコストを排除します。コストの透明性が高いことは、データが頻繁に取得およびダウンロードされたり、複数の場所に複製されたりするハイブリッドアーキテクチャにとって特に重要です。Wasabiで必要な料金は使用したストレージ容量に対してのみであり、それ以上の課金は発生しません。3. 企業に必要なのは柔軟性を重視したストレージ“Hype...