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新たな1年のデータ増加に向けて有利なスタートを切る方法
新年に向けた予測が行われる中、データ管理において確実に言えるのは、非構造化データが増加し続けているということです。IDC StorageSphereの予測によると、保存されているデータ全体の78%は非構造化データです。また、非構造化データは、2024年の5.5ゼタバイトから2028年までに10.5ゼタバイトに増加すると予測されており、年平均成長率は16%となる見込みです。この急増を後押ししているのがデジタルトランスフォーメーションです。非構造化データには、ビデオ監視、医療用画像、モノのインターネット(IoT)のセンサーデータ、そして現在ではAIおよびMLモデルとその学習に用いられる膨大なデータセットなどが含まれます。
この計り知れない成長のプラス面は、すべてのデータに潜在的な価値が秘められており、ビジネス上の洞察、運用効率、革新的な新しいソリューションや発見につながりうるということです。しかし、すべての洞察を引き出し、データ主導の世界で競争力を維持するためには、高度なインフラとAI分析ツールに投資する必要があります。また、指数関数的に増加するデータ量を効果的に保持、管理、保護する方法を見つけることも忘れてはいけません。
ご安心ください。Wasabiには、すべてのデータを手頃な価格で保存しながら、将来に投資するための資金を確保できるアイデアがあります。
今期の予算で、今後何年にもわたって必要となるストレージ容量を確保
多くの組織における予算モデルは、「使わなければ無駄になる」という方針に基づいています。1年間に割り当てられた資金が使用されなかった場合、それが翌年に繰り越されることはありません。期末になっても予算が使い切れないという方は、Wasabiの容量予約制ストレージをぜひご検討ください。1年・3年・5年単位で事前に容量を購入することで、さらにコストを節約することが可能です。
クラウド容量を今後5年後まで安全に確保しておけば、将来のストレージ予算を、AIを含む他の戦略に適用することができます。クラウドストレージの容量をどう活用すればよいか分からない方に向けて、代表的なクラウドオブジェクトストレージであるWasabi Hot Cloud Storageの使用例をいくつか見てみましょう。
サイバーレジリエンスのためのバックアップとリカバリ
今では、IT業界のほぼすべての人が、クラウドオブジェクトストレージがバックアップや災害復旧に有効であることを認識しています。クラウドストレージは、安全で耐久性があり、コスト効率が高く、事実上無制限のストレージ容量を提供します。また、冗長性と自動レプリケーションが複数のデータセンターで共有されており、高い可用性と高レベルの保護が保証されます。最も重要なのは、オフサイトで使用することができ、データ保護やビジネス回復の絶対的な基準ともいえる3-2-1バックアップ戦略に準拠しやすいことです。
Wasabi Hot Cloud Storageが、貴重で機密性の高いデータ保護に最適であるポイントはまだあります。Wasabiは非常にサイバー耐性の高いストレージであり、データとストレージアカウントを、悪意のある行為者、自然災害、人為的ミスから保護する多層セキュリティを備えています。また、Wasabiは下り転送料やAPIリクエストが無料です。そのため、予期せぬ追加料金を請求されることなく、バックアップを何度でもテストしたり、インシデント発生時にデータを復元したりすることが可能です。
災害復旧や低レイテンシのワークロードに向けたデータレプリケーション
バケットまたはオブジェクトのレプリケーション機能を使用すると、同一または異なるストレージ領域にデータのコピーを複数作成することができます。データをさまざまな場所に複製することで、停電や天災などの地域災害が発生した場合でも、データを確実に復旧させ、アクセスすることが可能になります。また、リージョン間でデータを複製することで、低レイテンシの環境でもアクセスが高速化されます。Wasabiのオブジェクトレプリケーション機能によって、データがシンプルかつコスト効率よく複製され、よりパフォーマンスが高く回復力のあるインフラが実現します。
クラウド階層化とアクティブアーカイブでストレージのROIを向上
使用頻度の低いデータは、オンプレミスのサーバーから安価なクラウドオブジェクトストレージに階層化することで、ストレージの総コスト削減につながります。クラウドを階層化することで、オンプレミスの容量を重要なプライマリデータ用に確保し、コストのかかるアップグレードをしなくてもいい状態を保ちます。大抵の大手企業は、複数のサービス層に加えて、データを適切なサービス層へ自動的に移動する階層化サービスを提供しています。この場合、アクセス頻度の低いデータはウォームストレージ層に移動し、コールドデータは安価でパフォーマンスの低いアーカイブサービス層に移動します。
しかし、コールドデータが急に必要になる場合があります。たとえば、医師が2年前の患者の記録を確認する、監視システムの古い映像を取り出す、クライアントのメディアプロジェクトが突然必要になるなどの場合などです。コールドストレージに保管されたコンテンツやデータが急に必要になることが実際にあるとして、IT部門は、どのデータがいつ必要になるかをどのように把握すればよいのでしょうか。
アクティブアーカイブで問題を解決
アクティブアーカイブは、ビジネス上またはコンプライアンス上の理由で保管しておく必要があるが、時々アクセスする可能性もあるデータの保存に適しています。高性能なクラウドストレージ層にはアクセス性も備わっていますが、大手企業では少々割高になる傾向があります。
一方、Wasabi Hot Cloud Storageは単一層で、アクティブアーカイブ専用に設計されています。さらにWasabiでは、AWS S3やAzureなどが提供する階層サービスと同等の高性能なサービスを、低価格で手に入れることができます。
最も重要なのは、下り転送料やAPIリクエスト料金が無料で、毎月予測できない追加コストが発生しないことです。コールドストレージ層に近い価格でデータに即座にアクセスできることから、私たちはこれを真のアクティブアーカイブと呼んでいます。
ビジネスおよびコンプライアンス要件に対応した長期保存
医療、金融、航空宇宙、通信をはじめとする規制の厳しい業界には、HIPAA、PCIDSS、GDPRなどの基準が制定されており、データを利用可能な状態にするだけでなく、長期間にわたって確実かつ安全に保管することが求められています。たとえば、医療業界では、医療画像などの機密データを長期間、時には患者の生涯にわたって保存する必要があります。
繰り返しになりますが、オブジェクトストレージはデータを長期にわたって保持するうえで非常に理想的な媒体です。Wasabiは、HIPAA、FERPA、CJIS、GDPRなどの主要な業界標準および規制に完全に準拠しています。私たちは、長期のデータ保存に適した信頼性の高いソリューションを低価格で提供し、お客様のコンプライアンス要件を安全に満たしています。
ビデオ監視のバックアップおよび保存に対するコンプライアンス
昨今、ビデオ監視データの保管にクラウドオブジェクトストレージを使用するケースが増加しています。高解像度のIPカメラや顔認識、画像認識などのAIツールによって物理的なセキュリティが強化されたことで、小売業や接客業などにおける監視に変革がもたらされました。ただし、こういった新しい技術を使用する場合、コンプライアンス上の理由や将来のビジネス分析に必要だという観点から、大量の非構造化ビデオファイルを保存する必要があります。
Wasabiは、ビデオ監視業界に特有のストレージニーズを解決するために多額の投資を行ってきた、数少ないクラウドストレージプロバイダーのひとつです。オンプレミスのVMSをクラウドに接続するためのハイブリッドソリューションが必要な場合でも、クラウドへ直接接続するストレージに関心がある場合でも、Wasabiは成功につながるソリューションおよび監視業界とのパートナーシップを提供します。
AI・ML分析とデータレイク
最後に、データ管理の世界における新しい「キラーアプリ」として、AIおよびMLとその分析が存在します。AIを活用してデータから価値を引き出す組織が増えるにつれ、膨大なデータセット、AIモデル、トレーニング出力を格納できるストレージ容量が求められるようになりました。
Wasabiは下り転送料がかからない低コストのクラウドオブジェクトストレージであり、理想的な選択肢です。WasabiのクラウドストレージはS3と完全な互換性があり、Snowflake、Datalakehouse、Equinixなどの主要なデータレイクや分析アプリケーションとシームレスに連携します。Wasabi Hot Cloud Storageをマルチクラウドデータレイクの一部として使用することで、コンピューティングとストレージを個別に調達して最善のプロバイダーを活用しながら、ベンダーロックインを回避することができます。
今すぐストレージ容量を予約しましょう
これらは、Wasabi Hot Cloud Storageへ投資するメリットのごく一部です。
データの増加は短期的な問題ではありません。データの価値が増大するのと同じ速さで、その量も増大しています。だからこそ、データの保存、管理、保護の問題はすぐには解決できません。
今期の予算が残っているかいないか、来期の予算を使用する必要があるかどうかに関わらず、Wasabiの容量予約制ストレージを使用して容量を確保しておくことで、将来のストレージ予算を他の重要なビジネスやITイニシアチブに素早く振り分けることができるようになります。
容量予約制ストレージを今すぐチェックし、見積もりを依頼をすることで、きっと未来の自分から感謝されるはずです。
はじめに 2024年も、サイバー攻撃が多く発生した年となりました。特にランサムウェア攻撃は、驚くべき数で重要な機関に大混乱を引き起こし続けています。Sophosによるレポート「The State of Ransomware 2024」によると、2024年は59%の組織がランサムウェア攻撃の被害を受けました。標的となった企業の98%はデータを回復できたものの、大きな混乱と多額のコスト被害が発生しました。攻撃の際、要求される身代金の平均額は200万ドルでしたが、これに復旧費用が加わり、平均273万ドルのコスト負担が組織にかかる結果となりました。昨年、ハッカーは世界最大規模の組織や政府機関などに対して、業務の麻痺、データ損失、金銭的な損害を与えました。しかし、攻撃の多くは簡単な対策で軽減または完全に回避できた可能性があります。それでは、2024年に発生した破壊的なランサムウェア攻撃をいくつか見てみましょう。医療機関 2024年初頭、米国最大手の医療機関がランサムウェア攻撃を受けました。その結果、1億3100万人もの患者の記録が漏洩するデータ侵害が発生しました。流出した情報には、個人健康情報(PHI)、支払い記録、患者の社会保障番号、個人識別情報(PII)などが含まれていました。この医療機関は、情報が流出したことで数々の規制に基づく制裁を受けることになりました。さらに、処方箋を処理する目的などで提供していた医療ソフトウェアアプリの停止も余儀なくされました。また、決済サービスや歯科および医療記録アプリが停止したことで、医療に支障をきたし、患者の健康に影響を及ぼす可能性も示唆されました。課題 攻撃者は、盗んだ認証情報を使用して医療機関のネットワークとデータ資産にアクセスしました。実際、こういった攻撃は珍しくありません。Sophosのレポートによると、ランサムウェア攻撃の29%は認証情報の侵害をきっかけとしています。この医療機関では、多要素認証(MFA)が採用されていませんでした。そのため、攻撃者は盗んだ認証情報を悪用してネットワークへ侵入することができたのです。ユーザーとそのデバイスを認証する機能がなかったことで、正規のユーザーになりすました攻撃者を識別できず、侵入を防ぐことができませんでした。ソリューション MFAを採用していれば、攻撃の大部分を阻止できたはずです。MFAは、ネットワークアクセスを許可する前に、テキストメッセージや電子メールで固有コードを受信するようユーザーに要求します。これにより、盗まれた認証情報の使用をブロックすることができます。また、モバイルアプリを使用した新しいMFAモードでは、モバイルデバイスのなりすましによるSMSメッセージの傍受リスクを回避でき、より強力な保護が提供されます。さらに強力な認証対策になりうるのが、マルチユーザー認証(MUA)です。MUAでは、データの削除や暗号化、アカウントの変更や削除などを行う際、複数のユーザーが確認する必要があります。これにより、システムが侵害された場合でも、ランサムウェア攻撃による悪影響を軽減することが可能です。政府機関 ...
私は毎年、年末の時期に、新しい年がテクノロジー分野にとってどのような年になるかを考えます。トレンドの要素を考察すると、データストレージがすべてにおいて重要であるという当然の結論にたどり着きます。しかし、今年は異なるアプローチを採用しました。私たちは、さまざまな業界のパートナーやお客様に連絡を取り、2025年に何が起こるかについて彼らの視点に基づく意見を求めました。彼らには、持続可能性、AI、メディアに関するさまざまな専門知識があります。そのため、2025年に各分野で起こりうる変化やデータ需要について、ユニークな洞察を得ることができました。データセンターにおける再生可能エネルギーIT購入の意思決定において、持続可能性は引き続き大きなポイントとなっています。2023年の調査では、44%の回答者がクラウドストレージサービスを選択する際、パフォーマンスや拡張性よりも持続可能性を最も重要視すると答えました。データセンター業界において、問題となるのは土地や建物ではなく、電力です。持続可能性グループZerocircleの創設者Hemanth Setty氏は、この問題に真っ向から取り組んでいます。Setty氏は、AIの進歩(詳細は後述)は、データセンターのリソース消費を悪化させると考えています。電力と冷却を利用した再生可能ソリューションも存在しますが、これには地理的な制約が伴います。Setty氏は、データセンターの電力問題を解決する効率性は2つのアプローチによって生まれると述べています。それが、持続可能なデータセンターとエネルギー効率の高い計算です。計算負荷の高いワークロードの消費電力を減らすことができれば、再生可能エネルギーや冷却を利用した作業がより容易になります。現在、ストレージはコンピューティングほど大きなエネルギーを必要としません。CPU、特にGPUは大量の電力を消費しますが、HDDはそれほどではありません。実際、ディスクドライブの容量が増加すると、モーターは同じ量の電力を消費するため、ビットあたりの消費電力は改善されます。次世代のソリッドステートストレージが登場すれば(すでに存在するものの、回転ディスクに比べればまだ高価です)、同量のデータ保存に必要な電力量は、ほぼ10分の1に削減されると思われます。AIの進歩市場におけるAIの役割は、インターネットが初めて登場したときと少し似ています。インターネットが進化するにつれて、創造性と新しいアイデアが爆発的に増加し、これまで誰も見たことも、可能だとも思っていなかったことが実行できるようになりました。うまくいくもの、いかないものがあり、やがてすべてが落ち着きましたが、最終的には明らかに世界が変化しました。私は、AIも同じ道を進むことになると予測しています。IBM Cloud PlatformのゼネラルマネージャーであるUtpal Mangla氏は、AIはまだ始まったばかりだとしたうえで、AI普及とともに、以下の3つが大きく求められるようになると予測しています。1)オープン性多くの企業は、オープンなアーキテクチャやフレームワークを求めています。また、それらを深く理解し、ソースが何であるか、どこから来ているか、モデルはどのように構築されているかを把握する機能も必要です。2)ガバナンス顧客は、AIプラットフォームが信頼できるものであることを知る必要があります。その信頼を築くために、チェックとバランスの整備が求められます。3)データデータはAIの成功の基礎となります。データの品質と出所は、あらゆるAIモデルの構成要素となります。データセットのソースと信頼性は、テクノロジーとしてAIを普及させるうえで不可欠な要素です。Wasabiにとっては、3番目のポイントを特に重視しています。AIで行うことはすべて大量のデータを伴うため、この点における私たちの立場は非常にシンプルです。どの鉄道にもシャベルが必要なのと同じで、トレーニング用のデータが増えるほど、より良いモデルが作られます。メディアの需要メディアは長い間、ストレージの技術と実務を支えてきました。フォーマットの容量要件を考慮すると、ビデオストレージの需要は高くなる可能性があります。TDガーデンおよびボストン・ブルーインズの技術担当副社長、Josh Carley氏には、100年に渡るフランチャイズの歴史を守る責任があります。しかし、データが埃をかぶったゴミ箱の中に眠っていることは想像に難くありません。チームが閲覧、アクセス、維持することができなければ、データは無用の長物です。Carley氏は、大規模なアーカイブを維持する唯一の手段として、クラウドストレージを選択しました。拡張性の高いクラウドストレージがあることで、復帰した選手がアリーナを訪れる際や、ブルーインズのOBに敬意を表する際、必要なときに必要なデータを見つけることができます。実際、LTOテープからクラウドストレージへのメディア移行に対する関心が高まっています。映画、テレビ番組、スポーツイベント、ポッドキャスト、ニュース番組、インタビュー、ホームビデオなど、膨大なビデオアーカイブがテープの形で保管されています。これらのアーカイブを無視するのではなく、即座にアクセスして活用できるクラウドに保存したいと考える組織は少なくありません。放送局ITVのインフラおよびネットワークチームリーダーであるJordyde Muijnk氏も、メディアの将来におけるクラウドの役割について、Carley氏と同様の見解を示しています。確実に言えるのは、2025年には2024年よりも多くのデータが生成され、ストレージがあらゆる業界の企業や新興テクノロジーにとって不可欠な商品であり続けるということです。Wasabiは引き続き、データを手頃な価格で効率的に保存することを使命として掲げています。...
企業にとって、データは宝の山と言えます。競争優位性を築き、顧客体験を向上させるためには、データに基づいた意思決定が不可欠です。一方で、データ活用を成功させるためには、まず「どのような種類のデータが存在するのか」を理解しなければなりません。データには大きく分けて「構造化データ」と「非構造化データ」がありますが、それぞれの特徴や活用方法は大きく異なります。本記事では構造化データと非構造化データの違いを分かりやすく解説し、両者を統合的に管理できる「データレイク」の概念やメリットを解説。データレイク構築に最適なクラウドストレージの選び方も紹介していきます。構造化データと非構造化データの基本企業活動の中で日々生成されるデータは、大きく「構造化データ」と「非構造化データ」の2つに分類されます。これらはそれぞれ異なる特性を持つため、目的に応じた使い分けが必要です。構造化データの特長構造化データとは、データベースで管理しやすいよう、あらかじめ定義された形式に従って整理されたデータのことです。たとえば、顧客情報(氏名、住所、電話番号など)や売上データなどが挙げられます。これらは、主にRDB(リレーショナルデータベース)などのデータベースで管理されます。構造化データの特徴は以下の通りです。データ検索や整理が容易データが構造化されているため、特定の情報に素早くアクセスし、分析を行うことが容易になります。一貫性とスケーラビリティの強みデータの形式が統一されているため、データの整合性を保ちやすく、データ量の増加にも柔軟に対応できます。非構造化データの特長非構造化データは、定義された構造を持たないデータのことです。テキストデータや画像データ、動画データなど、私たちが普段目にする情報の大部分が非構造化データに該当します。近年では企業が扱うデータ量の増加とAI技術の進化に伴い、非構造化データの活用が注目されています。非構造化データの特徴は以下の通りです。テキスト、画像、動画、音声など多様なデータ形式顧客の行動履歴や市場トレンドなど、従来の構造化データだけでは得られなかった洞察を得ることが期待できます。データの柔軟な保存と利用が可能データ形式が自由であるため、さまざまな用途に合わせた柔軟なデータ保存と活用が可能です。AIや機械学習での活用自然言語処理や画像認識などの技術により、非構造化データからビジネス価値を創出できる可能性が広がっています。構造化・非構造化データをまとめて保存するデータレイク 企業では、これまでデータの種類ごとに異なるシステムで管理を行うのが一般的でした。しかし近年、構造化データと非構造化データを統合的に管理できる「データレイク」が注目されています。データレイクとは、あらゆる種類のデータを一箇所に集約した巨大なデータストレージ を指します。構造化データ、非構造化データを問わず、データレイクにはさまざまなソースからのデータを、そのままの形式で保存することが可能です。蓄積されたデータは用途に合わせて自由に抽出・加工・分析することができるため、ビジネスにおけるデータ活用を促進する強力な基盤となります。データレイクの利点データレイクは、以下のような利点から、多くの企業で導入が進んでいます。大容量データの効率的な管理データの種類ごとにサイロ化することなく、一元的にデータを管理することで、ストレージコストの削減やデータの一貫性確保に繋がります。非構造化データの検索・処理の柔軟性従来のデータベースでは扱いが難しかった非構造化データを容易に保存・検索・分析することが可能になります。データレイクの課題一方で、データレイクの導入にはいくつかの課題も存在します。取り扱いの複雑ささまざまなデータ形式に対応する必要があるため、データ管理の仕組みが複雑になりがちです。コスト大規模なデータレイクを構築・運用するには、相応のコストがかかります。これらの課題を解決するため、近年ではクラウドサービスを活用したデータレイク構築が増加しています。クラウドサービスを効果的に活用することで、低コストで柔軟かつ安全なデータレイク環境を構築することが可能です。構造化・非構造化データの管理に最適なクラウドストレージの選び方データレイクを構築するうえで、クラウドストレージの活用が有効であることは間違いありません。しかし一口にクラウドストレージと言ってもさまざまなサービスが存在し、それぞれ特徴が異なります。最適なサービスを選ぶためには、自社のビジネスニーズに合ったストレージ選びが重要です。クラウドストレージを選ぶ際は、特に以下の点に注目すると良いでしょう。ストレージの種類オブジェクトストレージ、ファイルストレージ、ブロックストレージなど、用途に合わせて適切な種類のストレージを選択する必要があります。データレイクを構築する場合、柔軟性と拡張性に優れたオブジェクトストレージを選ぶのが一般的です。費用ストレージ容量やデータ転送量、APIリクエスト数など、クラウドサービスごとに課金体系が異なります。長期的な運用コストを考慮し、自社の利用状況に合った料金プランを選択する必要があります。拡張性データ量は時間と共に増え続けるため、将来的なデータ増加にも柔軟に対応できるストレージを選ぶことが重要です。セキュリティ機密性の高いデータを取り扱う場合は、セキュリティ対策が強固なサービスを選ぶ必要があります。データの暗号化機能やアクセス制御機能などを確認しましょう。データ分析機能データレイクに蓄積したデータを迅速に分析できるよう、分析機能が充実しているサービスを選ぶことも重要です。これらの基準を踏まえ、複数のクラウドストレージサービスを比較検討し、自社にとって最適なサービスを選び出すことが重要です。特に近年では、低価格ながらも高機能なサービスが登場しており、データレイク構築のハードルは大きく下がっています。まとめ今回の記事では、データ活用を加速させるうえで重要な「構造化データ」と「非構造化データ」の違い、そして両者を統合管理できる「データレイク」について解説しました。構造化データはデータベースで管理しやすい形式で、売上情報など数値分析に役立ちます。一方、非構造化データはテキストや画像など多様な形式を持ち、顧客行動分析や市場トレンド把握などに活用できます。これらの異なる性質を持つデータを一元的に保存・管理することで、データ分析の可能性を大きく広げるのがデータレイクです。そしてクラウドストレージは、データレイクをより低コストで柔軟かつ安全に構築することを可能にします。...